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Infant Joy    
  Ten Blake Songs
赤ん坊の喜び  
     10のブレイク歌曲

詩: ブレイク (William Blake,1757-1827) イギリス
    Songs of Innocence 17 Infant Joy

曲: ヴォーン=ウィリアムズ (Ralph Vaughan Williams,1872-1958) イギリス   歌詞言語: 英語


”I have no name:
I am but two days old.”
What shall I call thee?
”I happy am,Joy is my name.”
Sweet joy befall thee!

Pretty joy!
Sweet joy but two days old,
Sweet joy I call thee:
Thou dost smile,
I sing the while,
Sweet joy befall thee!

「わたし、名前がないの
生まれて2日しか経っていないから」
あなたを何て呼びましょうか?
「幸せだから、ジョイがいいな」
すてきなジョイ(喜び)があるといいね

かわいいジョイ!
すてきな喜び、生まれてまだ2日
だからあなたをすてきなジョイと呼ぶわ
まあ、笑っている
歌を歌ってあげましょう
すてきなジョイ(喜び)があるといいね


近藤浩平さんがオーボエ独奏の伴奏の歌曲を書かれると聞いて、まず思い描いた曲がヴォーン・ウイリアムス最晩年の作品であるこの10のブレイクの詩による歌曲です。
簡素で渋い旋律が、オーボエの枯れた音色と奇妙に溶け合ってえもいわれない味わいを醸し出している佳品だと思います。
オーボエソロの伴奏、歌曲のスタイルとしてはなかなか良いように思いますが他にはあまり聞きません。
(オペラなどではオーボエソロと絶妙の掛け合いをするアリアがけっこうあるように思いますけれども)
18世紀の詩人、ウイリアム・ブレイクの詩は古語が多くて訳すのはつらいのですが、中でも比較的有名な第一曲のみ簡単に訳してみました。なんとも素朴な詩ですが、それがこの曲想に実にマッチしていると思います。 これはブレイクの「無垢の歌  Songs of Innocence」の中の詩で、「経験の歌 Songs of Experience」と対になって、こちらには「汚れちまった悲しみ」をまだ知らない純真な詩が多く集められています。
私が聴いたのは以下の2枚

*ロバート・ティアー(テノール)のLondon盤:枯れた美しさが引き立って素敵です。オーボエもうまい
*デイビット・ボウマン(カウンターテナー)のMeridian盤: このスタイルの伴奏とカウンターテノールというのはとても不思議

近藤さんの作品もこんな感じのしみじみ系なのでしょうか。あるいはコロラトゥーラの技巧をこらした華麗なスタイルというのも面白いかも。これはフルート伴奏ではよく耳にしますが、他の楽器ではなかなかないような気がしますので。

( 2003.11.16 藤井宏行 )


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