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眠りのほとりに    
  立原道造の詩による四つの歌曲
 
    

詩: 立原道造 (Tachihara Michizou,1914-1939) 日本
    暁と夕の詩 8 眠りのほとりに

曲: 高田三郎 (Takata Saburou,1931-2000) 日本   歌詞言語: 日本語


沈黙は 青い雲のように
やさしく 私を襲い……
私は 射とめられた小さい野獣のように
眠りのなかに 身をたおす やがて身動きもなしに

ふたたび ささやく 失われたしらべが
春の浮雲と 小鳥と 花と 影とを 呼びかえす
しかし それらはすでに私のものではない
あの日 手をたれて歩いたひとりぼっちの私の姿さえ

私は 夜に あかりをともし きらきらした眠るまえの
そのあかりのそばで それらを溶かすのみであろう
夢のうちに 夢よりもたよりなく――

影に住み そして時間が私になくなるとき
追憶はふたたび 嘆息のように 沈黙よりもかすかな
言葉たちをうたわせるであろう



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   立原道造の詩による四つの歌曲 

( 2014.11.07 藤井宏行 )


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