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小譚詩    
  立原道造の詩による四つの歌曲
 
    

詩: 立原道造 (Tachihara Michizou,1914-1939) 日本
    暁と夕の詩 3 小譚詩

曲: 高田三郎 (Takata Saburou,1931-2000) 日本   歌詞言語: 日本語


一人はあかりをつけることが出来た
そのそばで 本をよむのは別の人だった
しずかな部屋だから 低い声が
それが隅の方にまで よく聞こえた(みんなはきいていた)

一人はあかりを消すことが出来た
そのそばで 眠るのは別の人だった
糸紡ぎの女が子守の唄をうたってきかせた
それが窓の外にまで よく聞こえた(みんなはきいていた)

幾夜も幾夜もおんなじように過ぎて行った……
風が叫んで 塔の上で 雄鶏が知らせた
――兵士(ジアツク)は旗を持て 驢馬は鈴を掻き鳴らせ!

それから 朝が来た ほんとうの朝が来た
また夜が来た また あたらしい夜が来た
その部屋は からっぽに のこされたままだつた



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   立原道造の詩による四つの歌曲 

( 2014.11.07 藤井宏行 )


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