Sigh no more,ladies Op.30-4 Four Shakespeare Songs |
溜息なさるな 淑女の方々 4つのシェイクスピアの歌 |
Sigh no more, ladies, sigh no more, Men were deceivers ever; One foot in sea and one on shore; To one thing constant never. Then sigh not so, But let them go, And be you blithe and bonny; Converting all your sounds of woe Into Hey nonny, nonny. Sing no more ditties, sing no more, Of dumps so dull and heavy; The fraud of men was ever so Since summer first was leavy. Then sigh not so, But let them go, And be you blithe and bonny; Converting all your sounds of woe Into Hey nonny, nonny. |
溜息なさるな。淑女の方々。溜息なさるな。 男共は永遠のうそつき。 片足は海に、もう片足は岸に、 ひとところに留まることなど決してない。 だから溜息をつかず、 行かせておやりなされ そしてあなたがたは元気に、たくましく 嘆きの言葉はやめにして 陽気に歌おう、ヘイ、ノンニ、ノー 歌いなさるな、淑女の方々。悲しい歌を 暗く、重たいその嘆きを 初めて夏に青葉が茂った頃から 女を騙すのは男の習い だから溜息をつかず、 行かせておやりなされ そしてあなたがたは元気に、たくましく 嘆きの言葉はやめにして 陽気に歌おう、ヘイ、ノンニ、ノー |
喜劇「から騒ぎ」の第2幕第3場、領主ドン・ペドロお抱えの楽士バルザザーが歌う劇中歌 劇はこのあとヒロインのヒーロー(洒落ではなくて本当にこの名前なのです)が、悪者の罠にはまって浮気者の濡れ衣を着せられ、まさに歌の逆を行く展開となります。皮肉たっぷりに歌われるのが劇の筋に合っている訳で、クィルターの曲もほんのりとユーモアをたたえながら、それでも流麗に歌われます。
( 2014.11.07 藤井宏行 )