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ふるさとの夜に寄す    
  三つの抒情
 
    

詩: 立原道造 (Tachihara Michizou,1914-1939) 日本
      ふるさとの夜に寄す

曲: 三善晃 (Miyoshi Akira,1933-2013) 日本   歌詞言語: 日本語


やさしいひとらよ たづねるな!
―なにをおまへはして来たかと 私に
やすみなく 忘れすてねばならない
そそぎこめ すべてを 夜に……

いまは 嘆きも 叫びも ささやきも
暗い碧の闇のなかに
私のためには 花となれ!
咲くやうに にほふやうに

この世の花のあるやうに
手を濡らした真白い雫の散るやうに―
忘れよ ひとよ……ただ! しばし!

とほくあれ 限り知らない悲しみよ にくしみよ……
ああ帰つて来た 私の横たはるほとりには
花のみ 白く咲いてあれ! 幼かつた日のやうに




これは濃密なハーモニーでしっとりと聴かせる曲です。残念なことに私はこういうスタイルの合唱作品が苦手なので今一つ良さが分からないのですが。たゆたうメロディがピアノの高音と響き合うところなどはそれでも美しいと思います。ドビュッシーの精緻な音楽を思わず連想しました。
立原の詩は特にどの詩集にあるというわけでもない独立したもののようです。思索にふけっているかなり哲学的な内容のソネットですね。耳で聴きながら意味を捉えるのはかなり難しい感じです。

( 2014.10.31 藤井宏行 )


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