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口説(くぜつ)    
  歌曲集「啄木に寄せて歌える」
 
    

詩: 石川啄木 (Ishikawa Takuboku,1886-1913) 日本
    一握の砂〜煙 二 29 宗次郎に

曲: 越谷達之助 (Koshitani Tatsunosuke,1909-1982) 日本   歌詞言語: 日本語


宗次郎(そうじろ)に
おかねが泣きて口説き居り
大根の花白きゆふぐれ



再び日本情緒纏綿の世界が現れました。こちらはユーモラスに日本昔話のような情景を描き出します。ちょっと間に出てくる「ラララン」の掛け声はどうかと思わなくもありませんが、最後の掛け声も含めて笑わせてくれます。もっともこの夫婦、それどころではないのでしょうけれども。
「一握の砂」、「やわらかに」の歌で望郷の想いの丈をぶつけたあとで、故郷の人々の噂話やら何やらを次々と歌にしている中のひとつです。恐らく甲斐性なしの亭主をなじりながら説教している妻の姿でしょう。いや私も笑ってはいられないのですがこの歌を聴くと思わずほほ笑んでしまいます。

( 2014.10.25 藤井宏行 )


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