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雪くる前    
  抒情小曲集
 
    

詩: 室生犀星 (Murou Saisei,1889-1962) 日本
    青き魚を釣る人 (1923)  雪くる前

曲: 清水脩 (Shimizu Osamu,1911-1986) 日本   歌詞言語: 日本語


ひとすぢに逢ひたさの迫りて
酢のごとく烈しきもの
胸ふかく走りすぐるときなり。
雪来ると呼ばはるこゑす
はやも白くはなりし屋根の上



前の曲に引き続きこれも詩集「青き魚を釣る人」より。これもふつふつと滾る恋の歌です。思いが募ったあまりの胸の痛みを「酢のごとく激しきもの」と言い切る表現と、そして静かに積もる屋根の雪との対比が鮮烈です。この歌曲集、雪を小道具にした詩をたくさん集めており、それぞれが魅力的な音楽となっていますが、この曲も例外なく見事な雪の描写が印象的です。

( 2014.10.24 藤井宏行 )


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