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三月    
  抒情小曲集
 
    

詩: 室生犀星 (Murou Saisei,1889-1962) 日本
    抒情小曲集 (1918) 一部  三月

曲: 清水脩 (Shimizu Osamu,1911-1986) 日本   歌詞言語: 日本語


うすければ青くぎんいろに
さくらも紅く咲くなみに
三月こな雪ふりしきる

雪かきよせて手にとれば
手にとるひまに消えにけり
なにを哀しと言ひうるものぞ

君が朱なるてぶくろに
雪もうすらにとけゆけり



第4曲も引き続き早春の情景、北陸はまだ粉雪の降る時期ですね。赤い手袋をしているのは恋人でしょうか。白と赤のコントラストも見事な甘酸っぱい初恋を感じさせる愛らしい詩です。北陸の三月の雪はしかしまだ半端ではない降り方のようで、音楽の描写する降雪の響きはなかなか激しいです。そんな中 突然明るいメロディで「君が朱なるてぶくろに」と歌われる部分ははっと息を飲むような美しさです。

( 2014.10.24 藤井宏行 )


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