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Bonjour Suzon    
 
こんにちは シュゾン  
    

詩: ミュッセ (Louis Charles Alfred de Musset,1810-1857) フランス
    Poésies posthumes  Chanson: Bonjour Suzon

曲: ドリーブ (Clément Philibert Léo Delibes,1836-1891) フランス   歌詞言語: フランス語


Bonjour Suzon,ma fleur des bois!
Es-tu toujours la plus jolie?
Je reviens,tel que tu me vois,
D'un grand voyage en Italie,
Du paradis j'ai fait le tour;
J'ai fait des vers,j'ai fait l'amour.
Mais que t'importe?
Je passe devant ta maison;
Ouvre ta porte.
Bonjour,Suzon!

Je t'ai vue au temps des lilas.
Ton coeur joyeux venait d'éclore.
Et tu disais: “je ne veux pas,
Je ne veux pas qu'on m'aime encore.”
Qu'as-tu fait depuis mon départ?
Qui part trop tôt tard revient trop tard.
Mais que m'importe?
Je passe devant ta maison;
Ouvre ta porte.
Bonjour,Suzon!

こんにちはシュゾン 森の中のぼくの花よ!
君はまだ一番きれいかい?
ぼくは戻ってきた 君に会うために
はるばるイタリアを旅して
パラダイスを通ってぼくはやってきたんだ
ぼくは詩を書いてきた 恋もしてきたさ
だけどそんなことどうでもいいだろう?
ぼくは君の家の前に来たんだ
ドアを開けてくれよ
こんにちは シュゾン!

ぼくは君と会った リラの花咲くときに
君の明るい心はちょうど咲き初めたばかりだった
そして君は言ったんだ :「あたしはまだ
あたしはまだ誰からも愛されたくないわ」って
君は何をしてたんだい ぼくが去ってからは?
あまりにも早く去り あまりにも遅く戻ってきた男が
だけどそんなことぼくは気にしないよ?
ぼくは君の家の前に来たんだ
ドアを開けてくれよ
こんにちは シュゾン!


以前取り上げたビゼーの曲 さよならシュゾンの姉妹編ともいえるミュッセの詩、こちらは再会のシーンですね。ミュッセが30代にたまたま知り合った女性のことを題材にいくつかの愛の詩を書いています。
ご覧頂ければお分かりのようにいずれも非常にさらっとした情感、遊びの恋であることを隠していないかのような詩です。
そういう詞ならば、ドリーブのメロディには打ってつけ。実にお茶目な 軽やかな歌になっています。昔はソプラノ歌手が好んで良く歌っていたようで、SP復刻では良く耳にするのですが、最近はほとんど取り上げられることがなくなりました。比較的最近(といっても50年近く昔ですが)BBCの放送ライブ録音でロス・アンヘルスがG.ムーアの伴奏で歌ったものが彼女の愛らしさがにじみ出てとても素敵でした。

( 2014.10.13 藤井宏行 )


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