Beleet parus odinokij |
白い帆がひとりぼっちで |
Beleet parus odinokij V tumane morja golubom. Chto ishchet on v strane dalekoj? Chto kinul on v kraju rodnom? Igrajut volny,veter svishchet, I machta gnetsja i skripit; Uvy,on schastija ne ishchet I ne ot schastija bezhit! Pod nim struja svetlej lazuri, Nad nim luch solntsa zolotoj, A on,mjatezhnyj,prosit buri, Kak budto v burjakh est’ pokoj! |
白い帆がひとりぼっちで 青い海の霧の中を行く 何を求めているのか 遠い異国で? 何を捨てて来たのだ 故郷の地に? 波はうねり 風はひゅーひゅーと鳴る マストは曲がり 軋む ああ 帆は幸せを探してはいないのだ 幸せから逃げているのでもないけれど! その下には 青空よりも明るい潮の流れが その上には 金色に輝く太陽の光が だが帆は 逆らうように 嵐を求めている まるで嵐の中にこそ 安らぎがあるかのように! |
レールモントフの詩の中でも比較的良く知られた作品、1831年の作ですからまだ詩人は18歳でした。もっとも出版されたのは彼の死後の1841年のこと、嵐を、冒険を求めずにはいられない若き熱血がここにはあります。
「赤いサラファン」の作曲で知られたワルラーモフは、ロシアではまだまだ結構な数の歌曲が歌われているようでこの曲もそんなひとつ、燃え立つボレロのリズムに乗せて熱き憧れを歌っています。
( 2014.09.28 藤井宏行 )