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Tuijotin tulehen kauvan   Op.2-2  
 
私は火をじっと見つめていた  
    

詩: レイノ (Eino Leino,1878-1926) フィンランド
    Hiihtäjän virsiä - Hämy-hyräilyjä 1 Tuijotin tulehen kauvan

曲: クーラ (Toivo Kuula,1883-1918) フィンランド   歌詞言語: フィンランド語


Tuijotin tulehen kauvan,
liikuttelin lieden puita,
ajattelin armastani,
muistin mustakulmaistani.

Hiilet hehkui,kuvat kulki,
ajat armahat samosi,
telilii suviset linnut,
keikkuivat kesäiset päivät,--
poski hehkui,suu hymysi,
silmät muita muistutteli.

Vierin maita,vierin soita,
vierin suuria saloja,
salossa savu sininen,
savun alla armas mökki,
mökissä ihana impi,
kultakangasta kutovi,
helmellistä helskyttävi.

Kelle kangas kultaloimi?
Häiksi metsän morsiolle.
Kelle neiti näätarinta?
Hiihtäjälle Niiden korven.

Ei hyvä hylatyn kauvan
liikutella lieden puita,
vesi silmihin tulevi,
pää käsihin tuiskahtavi,
kurkussa korina käypi,
sylkytys sydänalassa.

私は火をじっと見つめていた
囲炉裏の炭を掻き回しながら
恋人のことを想っていた
その瞳はこの炭のように黒かったのだ

炭が赤く燃え立つ 幻は消え去った
私が幸せだった時の
鳥たちは飛び去って行った
あの夏の日は揺らめいていた-
頬は輝き 口元には笑顔があった
私の目は遠くを見つめてた

さまよったのだ 異郷を さまよったのだ 荒れ地を
さまよったのだ 広大な森を
森の中 青い煙が
その煙は 愛らしい小屋から昇っていた
小屋には奇麗な娘がいて
金の布を織っていた
銀色の真珠を散りばめた

教えて なぜ金の布を?
森の結婚式の花嫁のためですわ
なぜ乙女が貂(テン)の毛皮を?
荒野をスキーで渡るためですわ

もう永久にすることはないだろう
囲炉裏の炭を掻き回すのは
涙が目からとめどなくあふれる
頭を両手で抱え
喉には呻きが満ち
鼓動するのだ この胸は


日本民家の囲炉裏端で火を掻き回しているような冒頭の和にも通じるメロディが、回想の中で娘が登場するところでは俄然洋風に盛り上がり、そしてまた冒頭の重苦しいメロディが戻ってきます。秋の夜長に聴くのに打ってつけの詩と音楽と言えましょう。

( 2014.09.28 藤井宏行 )


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