Frühling im Versteck |
隠されてる春 |
Winter unter deiner Decke Sitzet heimlich im Verstecke Dir ein Jüngling wundersam. Suchen möchten wir ihn gerne Hielt’st du ihn nur nicht so ferne Den die Zeit so lang uns nahm, Diesen Jüngling wundersam. Doch du kannst nicht immer halten Mit der Strenge Kraftgewalten Diesen schönen Blüthensohn. Jedes Fessel muß zerspringen Wenn er jubelnd will erschwingen Sich auf seinen lichten Thron, Dieser schöne Blüthensohn. Bald wird auf die Freiheit Füssen Er die Erde hold begrüßen Und in Wonnefülle blühn Suchen wird er uns dann Alle Und mit hellem Jubelschalle Locken in sein junges Grün Und in Wonnefülle blühn. |
冬よ お前の覆いの下で お前はこっそりと隠そうとしている 驚嘆すべき若さを 探しに行きたいのだ そいつをわれらは喜んで お前が彼をそんなに遠くにやっていないのなら 時がそんなに長くわれらから引き離していない彼を あの驚嘆すべき若さを お前はずっと押さえ付けてはいられないだろう その厳しい強大な力をもってしても この美しい花たちの息子を あらゆる束縛は断ち切られるだろう 彼が喜んで昇ろうと望む時には 自らの輝く王座に この美しい花たちの息子が すぐに 自由の足元で 彼は大地に挨拶するだろう それから 花咲く至福の豊かさのうちに 彼は探すのだろう われらすべてを そして明るい歓喜の声と共に 彼は差し招く 若い緑の中で そして花咲く至福の豊かさの中で |
シヴァン・ローテムのソプラノにジョナサン・ザークのピアノ伴奏によるNaxos盤のマイアーベーア歌曲集 作曲者の没後150周年ということで今年の1月より訳詞を始め、9ヶ月以上かかってようやくこのほど収録されている全26曲の訳が終わりました。イタリア語、フランス語、ドイツ語と多彩なマイアーベーアワールドを鑑賞する一助になれば幸いです。
最後の曲もマイアーベーアらしい美しいメロディの素敵なもの。春を告げる角笛の響きを模したピアノの前奏に続いて、決然とした爽やかな歌声が喜びの春を迎え入れます。歌詞の中では一言も「春」という言葉を使っていないのも洒落ています。
( 2014.09.27 藤井宏行 )