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Tuchki nebesnye   Op.13-1  
  Dva trekhgolosnykh zhenskikh khora
空の雲よ  
     2つの3部女性合唱曲

詩: レールモントフ (Mikhail Yur'yevich Lermontov,1814-1841) ロシア
      Тучи (1840)

曲: リムスキー=コルサコフ (Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov,1844-1908) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Tuchki nebesnye, vechnye stranniki!
Step’ju lazurnoju, tsep’ju zhemchuzhnoju
Mchites’ vy, budto kak ja zhe, izgnanniki
S milogo severa v storonu juzhnuju.

Kto zhe vas gonit: sud’by li reshenie?
Zavist’ li tajnaja? zloba l’ otkrytaja?
Ili na vas tjagotit prestuplenie?
Ili druzej kleveta jadovitaja?

Net, vam naskuchili nivy besplodnye...
Chuzhdy vam strasti i chuzhdy stradanija;
Vechno kholodnye, vechno svobodnye,
Net u vas rodiny, net vam izgnanija.

空の雲よ 永遠の放浪者たちよ!
真っ青な草原を 真珠の連なりで
お前は駆けて行く 私のように追われて
懐かしい北の国から 南の方を目指して

誰がお前を追っているのだ 運命の求めなのか
ひそやかな嫉妬か?あからさまな敵意なのか?
それともお前の負う罪の重さのためか?
毒を含んだ友人たちの中傷のせいなのか?

いや お前たちは実りなき大地にうんざりしているのだ
お前には情熱など無縁 苦しみを知ることもない
永遠に冷たく 永遠に自由なのだ
お前たちには故郷がなく 追放されることもないのだ


リムスキー・コルサコフの合唱作品というのも非常に珍しいところでしょうか。私もまだこの曲、第2曲目をボリショイ劇場の児童合唱団の演奏(Collins)でしか聴いたことはありません。アカペラで静かに歌われるこの曲、しかしながら心に染み入るとても美しいものでした。
1曲目の「空の雲よ」は1840年、詩人がペテルスブルクを追放されてカフカスへと向かう道すがらに書かれた詩、2曲目はそのカフカスで1841年に書いた詩人が死を間際にしたときの詩です。どちらも雲を題材に澄み切った女声で美しく情景を紡ぎ出しています。
前者はダルゴムイシスキーの書いた歌曲を数日前に取り上げております。後者にはリムスキー=コルサコフ自身が書いた初期の歌曲作品(Op.3の1曲)があります。またチャイコフスキーもこちらの詩には美しいアカペラ合唱曲を書いています。

( 2014.09.22 藤井宏行 )


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