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Sosna   Op.15-3  
  Shest’ khorov
松  
     6つの合唱曲

詩: レールモントフ (Mikhail Yur'yevich Lermontov,1814-1841) ロシア
      Сосна (1841)

曲: ラフマニノフ (Sergei Rachmaninov,1873-1943) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Na severe dikom stoit odinoko na goloj vershine sosna,
I dremlet,kachajas’,i snegom sypuchim odeta,kak rizoj ona.
I snitsja ej vse,chto v pustyne dalekoj,
V tom krae gde solntsa voskhod,
Odna i grustna,na utese gorjuchem
Prekrasnaja pal’ma rastet.

荒れ果てた北の地にただ一本だけで立っている 禿げ山の上に 松の木が
まどろみ 揺れている 厚い雪をその身にまといながら 礼服のように
そして夢見ている 遠い砂漠で
あの太陽が昇るところで
ひとりぼっちで嘆きながら 焼けつく岩山の上に
美しいヤシの木が生えているのを


外国語に堪能だったレールモントフは主にイギリスの詩をロシア語に訳し、そのいくつかはこのサイトでも取り上げておりますが、今回取り上げたこの詩はもとはドイツ語で書かれたハイネの詩。けっこう色々な人の歌曲になっています。
荒涼とした雪の岩山に一本だけそそり立つ松の木。夢見るのは灼熱の砂漠にこちらもたった一本だけ生えているヤシの木、ふたつの対比がビジュアル的にも見事です。
ラフマニノフのつけた音楽は北国の氷の冷たさを感じさせるような透徹感にあふれているようでもあり、また同時にアラビアのエキゾチックなたゆたう調べのようにも聞こえてくるという何とも不思議なものです。
ピアノ伴奏の響きも見事です。

( 2014.09.22 藤井宏行 )


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