Suleika |
ズライカ |
Wie mit innigstem Behagen, Lied,gewahr’ ich deinen Sinn; Liebvoll scheinst Du zu sagen Daß ich ihm zur Seite bin; Daß er ewig mein gedenket, Seiner Liebe Seligkeit, Immerdar der Treuen schenket, Die ein Leben ihm geweiht. Ja,mein Herz es ist der Spiegel, Freund,worin du dich erblickst, Diese Brust wo Deine Siegel Kuß auf Kuß hereingedrückt. Süßes Dichten,laut’re Wahrheit, Fesselt mich in Sympathie, Rein verkörpert Liebesklarheit Im Gewand der Poesie. |
心の底からの喜びをもって 歌よ 私は感じます お前の想いを 愛に満ちてお前は語ってくれるようですね 私はあの方のおそばにいるのだと あの方は永遠に私を想ってくださり その愛の至福を いつでもこの忠実な女に授けて下さるのだと 人生をあの方に捧げているこの女に そう 私の心は鏡 愛しい人よ その中にあなたは御自分を見出すのです この胸は あなたが封印したのです あなたが何度も何度も口づけを重ねることで 甘美な詩と 偽りのない誠は 私を魅了し 同じ想いにしてくれるのです 清らかに立ち現われるのです 愛の明瞭さは 詩の衣を纏って |
これはシューマンの「ミルテの花」にも取り上げられたゲーテの「西東詩集」からの詩です。実際にはゲーテの作ではなく、のちにこの西東詩集を書いていた当時にプラトニックな関係にあった女性マリアンネ・ウィレマーの作であったことが分かっていますが、恐らくマイアーベーアが作曲した当時(1838)はゲーテの作だと信じられていたのだと思いますし、現在でもゲーテの詩とクレジットして紹介されることも多いようです。
マイアーベーアの書いたメロディはとても愛らしい印象的なもの。ちょっと通俗的過ぎると正統派ドイツリート愛好者の方はおっしゃるかも知れませんが、これほど甘く切ない愛の歌はなかなかないのではと思います。マイアーベーアの書いた素敵な歌曲の中でも指折りの傑作ではないかと私は思いました。
( 2014.08.24 藤井宏行 )