La chanson du fou |
狂人の歌 |
Au soleil couchant, Toi qui vas cherchant Fortune, Prends garde de choir; La terre,le soir, Est brune. L'océan trompeur Couvre de vapeur La dune. Vois,à l'horizon, Aucune maison Aucune! Maint voleur te suit, La chose est,la nuit, Commune. Les dames des bois Nous gardent parfois Rancune. Elles vont errer: Crains d'en rencontrer Quelqu'une. Les lutins de l'air Vont danser au clair De lune. |
お日さまが沈むとき お前は求め行く 幸運を 転ばぬように気をつけろ 地面の上は 夜には 灰色だ 裏切りの海は もやで覆い隠すのだ 砂浜を 地平線まで見渡す限り ひとつの家もない ひとつも! たくさんの泥棒がお前についてゆく あらゆるものが 夜には 一般的だ 森の淑女たちは おれたちに時折 腹を立てる 彼女らはさまよい歩くが 出会いたいとは思っていない 誰にも 大気の中の妖精たちは 踊りたいのだ 光のそばで あの月の |
邦題では「夢見る男の歌」とされていることが多いようですが、このfouという言葉はもう少し強く、狂ってしまって妄想の中に生きる、といったニュアンスなので思い切ってそういうタイトルに訳しました。詩はユゴーの「オードとバラード」から。フランス民謡に良くあるようなゆったりとした3拍子の素朴な、ちょっと沈んだ旋律です。後半盛り上がるところがちょっと不思議な感じ。
( 2014.08.22 藤井宏行 )