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Sea Slumber Song   Op.37-1  
  Sea Pictures
海の眠りの歌  
     海の絵

詩: ノーエル (Roden Berkeley Wriothesley Noel,1834-1894) イングランド
      

曲: エルガー (Edward Elgar,1857-1934) イギリス   歌詞言語: 英語


Sea-birds are asleep,
The world forgets to weep,
Sea murmurs her soft slumber-song
On the shadowy sand
Of this elfin land;

I,the Mother mild,
Hush thee,oh my child,
Forget the voices wild!
Hush thee,oh my child,
Hush thee.

Isles in elfin light
Dream,the rocks and caves,
Lulled by whispering waves,
Veil their marbles
 Veil their marbles bright.
Foam glimmers faintly
 faintly white
Upon the shelly sand
Of this elfin land;

Sea-sound,like violins,
To slumber woos and wins,
I murmur my soft slumber-song,
 my slumber song
Leave woes,and wails,and sins.

Ocean's shadowy might
Breathes good night,
Good night...
Leave woes,and wails,and sins.
Good night...Good night...
Good night...


海鳥たちは眠り
世界は泣くことを忘れる
海はつぶやく その優しい眠りの歌を
日の翳った砂浜の上で
この妖精の国の

私は やさしいお母さんですよ
静かになさい おおわが子よ
激しい声を忘れなさい!
静かになさい おおわが子よ
静かになさい

島々は妖精の光の中
夢見て 岩や洞窟は
眠りに誘われる ささやく波によって
その大理石の壁をヴェールに包む
 その大理石の壁を明るく包むのだ
泡はかすかにきらめく
 かすかに白く
貝殻のある砂浜の上で
この妖精の国の

海の音はヴァイオリンのように
眠りを誘い そして眠らせる
私もつぶやく 自分の静かな眠りの歌を
 自分の眠りの歌を
放っておこう 苦しみを 号泣を そして罪を

大洋の暗闇の力が
ささやく お休みなさいと
お休みなさい
放っておこう 苦しみを 号泣を そして罪を
お休みなさい お休みなさい
お休みなさい


イギリスの作曲家の中では歌曲作品に関してあまり世評の高かったとはいえないエルガーですが、このメゾソプラノ独唱に管弦楽伴奏のついた歌曲集「海の絵」は例外的に良く取り上げられる作品でしょう。イギリス人の好きそうな海をテーマにした詩を色々集めてきてひとつの歌曲集にしているこの作品、1899年の作曲でその年のうちに「希望と栄光の国」の記事でも取り上げた名歌手クララ・バットの独唱に作曲者自身の指揮で初演されています。
詩人は5曲ともそれぞれ違いますし、全員有名な人ではないのですが、雰囲気溢れる音楽に乗せた歌声で聴くとても印象に残る見事な詩のように思えてきます。イギリスのメゾやアルトなら誰でも録音があるのでは、というくらいかの地では今でも人気のある作品です。
第1曲目は穏やかな子守歌。詩人のノーエル(1834-1894)については生年月日以外何も調べられませんでしたが、これは素朴で味わい深い詩です。子守歌ですからひたすら穏やかに、息の長いフレーズが流れて行きます。妖精の国に誘うように、そしてすべての苦しみを忘れさせるように...

( 2014.08.13 藤井宏行 )


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