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小さな空    
 
 
    

詩: 武満 徹 (Takemitsu Touru,1930-1996) 日本
      

曲: 武満徹 (Takemitsu Touru,1930-1996) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


合唱曲としての方が有名かも知れませんが、もとは1962年のラジオドラマ「ガン・キング」の主題歌として作られたもののようです。これは子供向けの、漫画が原作の西部劇ドラマだったのだそうですが、この曲はなんとしみじみとした味わい深い曲になったのでしょうか。
「青空みたら」の出だしから素敵ですが、それにも増してリフレインの「いたずらが過ぎて、叱られて泣いた、子供の頃を思い出した」のところが何とも良い余韻を残して終わるので、実にシンプルな曲にも関わらず(いや、シンプルであるが故に?)非常に印象的な曲です。
これに限らず、彼の声楽作品は多くの現代音楽にありがちな作為がなく、美しいシンプルなメロディを聴かせてくれるのが魅力的です。一番有名な「死んだ男の残したものは」(谷川俊太郎・詩)は多くのポピュラー歌手に歌われているのはご存知の通りです。そして、作曲者自身の希望で、ポップスとして編曲された曲を石川セリが歌ったアルバムの冒頭で、この曲「小さな空」は実にしなやかに、味わい深く紹介されています。(Denon)
初めて聴いた時は、ポップアルバムとしてはサラッとし過ぎた印象で拍子抜けしてしまいましたが、繰り返し聴けば聴くほど味わいが出てくる不思議なアルバムです。
(そして「死んだ男の...」はボサノバにアレンジされてこれも面白いです)
モーツアルトやバッハの音楽が、どのように編曲されてもその生命を失わないように、武満の音楽も、どのように表現されてもいつも素晴らしい(ちょっと誉め過ぎ?)ということを感じさてくれました。 (藤井宏行)2001.1.10

その後、この曲の録音が次々と出てきて非常にうれしい限りです。大御所としては鮫島有美子さんのもの、あるいは英語版ですがカウンターテナーのドミニク・ヴィスが入れた武満ソング集、はたまたアルバム「アルフォンシーナと海」で20世紀歌曲にも素晴らしいセンスを見せてくれた波多野睦美さんの歌など印象的なものばかりです。

(藤井宏行)2001.1.10 2004.1.1改訂

( 2004.01.01 藤井宏行 )


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