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Nella    
 
ネッラ  
    

詩: デシャン (Émile Deschamps,1791-1871) フランス
      

曲: マイアベーア (Giacomo Meyerbeer,1791-1864) ドイツ−イタリア   歌詞言語: フランス語


Qu’elle chante sous la brise,
Qu’elle rêve dans l’église,
C’est la perle de Venise,
Pudeur,grâce,tout est là.
C’est la rose sans rivale,
La colombe virginale,
C’est l’étoile matinale,
Mieux encor c’est Nella!
Le plus riche de Venise
Vînt lui dire,l’âme éprise:
“Jeune fille,sois marquise,
Sois ma femme,ma Nella!”
“Non,non,j’aime un page,
Qui me jure mariage,
S’il est pauvre,c’est dommage,
Eh,mais je l’aime,tout est là.
Riche ou pauvre,qu’est-ce là?
Prince ou page,qu’est-ce là?
Oui,je l’aime,tout est là.”

“Des Madones d’Italie
Quand on est la plus jolie,
Pour un page c’est folie
De garder ces trésors là;
Vois mes bals,mes sérénades,
Ma devise des croisades,
Mes sequins et mes cruzades,
Mon palais et ma villa,
Un seul mot,une promesse
De tes yeux,une caresse;
Et ma gloire et ma richesse
Sont les tiennes,ma Nella.”
“Non,non,j’aime un page,
Qui me jure mariage,
S’il est pauvre,c’est dommage,
Eh,mais je l’aime,tout est là.
Riche ou pauvre,qu’est-ce là?
Prince ou page,qu’est-ce là?
Oui,je l’aime,tout est là.”

彼女は歌う そよ風の中
彼女は夢見る 教会の中で
これこそがヴェネツィアの真珠なのだ
謙虚さ 優雅さ すべてがそこにある
これこそがバラなのだ 何者も敵わない
乙女の鳩なのだ
これこそが朝の星なのだ
いやもっと素敵だ これぞネッラなのだ!
ヴェネツィア 一の大富豪が
彼女のところに来て言う 恋する魂で
「若い乙女よ 侯爵夫人になりなさい
 わが妻に ネッラよ!」
「いいえ 私はお小姓を愛しているのです
 私に結婚を誓ってくれた
 彼が貧しければ それは残念だけれど
 それでも愛しているのです それがすべてです
 貧富の差 それが何でしょう?
 王子とお小姓の差 それが何でしょう?
 私は彼を愛しているのです それがすべてです」

「イタリアのマドンナよ
 あなたのその美しさを
 お小姓と引き換えにするなど 愚かなことです
 ここにある宝をお取りなさい
 ご覧なさい舞踏会を セレナーデを
 私には十字軍の紋章もあります
 私の金貨も 私の銀貨も
 私の宮殿も 私の屋敷も
 たった一言 約束を
 あなたの瞳で 抱擁でしてくれたなら
 私の栄光も 私の富も
 みんなあなたのものです 私のネッラよ」
「いいえ 私はお小姓を愛しているのです
 私に結婚を誓ってくれた
 彼が貧しければ それは残念だけれど
 それでも愛しているのです それがすべてです
 貧富の差 それが何でしょう?
 王子とお小姓の差 それが何でしょう?
 私は彼を愛しているのです それがすべてです」


爽やかでしゃれた歌です。オペラアリアのようでもあり、モーツァルトのリートのように楚々としてシンプルな味わいもあり、とても耳に優しいメロディ。歌詞も愛らしく素敵です。

( 2014.06.07 藤井宏行 )


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