La belle Isabeau Op.19-5 Feuilles d'album |
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Dans la montagne noire, Au pied du vieux château, J'ai ouï conter l'histoire De la jeune Isabeau. Elle était de votre âge, Cheveux noirs et l'oeil bleu. Enfants,voici l'orage! À genoux! Priez Dieu! La belle jeune fille Aimait un chevalier. Son père sous la grille La tint comme un géôlier. Le chevalier volage L'avait vue au saint lieu. Un soir dans sa cellule Isabeau vit soudain, Sans crainte et sans scrupule, Entrer le paladin. L'ouragan faisait rage, Le ciel était en feu. Enfants,voici l'orage! À genoux! Priez Dieu! De frayeur Isabelle Se sentit le coeur plein: Où donc est,disait-elle, Le sire chapelain? Il est,suivant l'usage, À prier au saint lieu. Venez! avant l'aurore Nous serons de retour. Hélas! son père encore L'attend depuis ce jour Enfants,voici l'orage! À genoux! Priez Dieu! |
黒い山の中の 古城の麓で 私は聞いたことがある あの物語を 若いイザボーの 彼女はお前たちと同じ歳だった 黒い髪と青い目をしていた 子どもたちよ 嵐が来たぞ! ひざまずくのだ!神に祈れ! その美しき少女は ある騎士を愛したのだ 父親は 鉄格子の中に 彼女を閉じ込めた 看守となって 浮気な騎士が 彼女を見染めたのは聖なる場所だった ある夜 彼女の独房の中で イザボーは突然見たのだ 恐れや遠慮もなく 騎士が入ってくるのを 嵐が荒れ狂い 空は燃えていた 子どもたちよ 嵐が来たぞ! ひざまずくのだ!神に祈れ! 恐怖で イザボーは 心が一杯になるのを感じた どこにいらっしゃるのですか 彼女は言った 司祭さまは? と 彼は いつでも 聖なる場所で祈っていたのだ 行こう!夜明け前には われらは戻ってくるから と ああ!彼女の父はまだ 彼女を待っているのだ その日から 子どもたちよ 嵐が来たぞ! ひざまずくのだ!神に祈れ! |
ヨーロッパの伝承詩にはありがちなお話ですが、詩を書いたのは有名な文豪デュマ(三銃士やモンテ・クリスト伯を書いた父の方です)。ベルリオーズお得意の劇的表現に満ちたインパクトあふれる曲です。合唱の付く版もあり、DGにあるベルリオーズ歌曲集ではフォン・オッタ―のメゾに合唱がついて鮮烈な表現となっています。これに限らずメゾやアルトの歌手が良く取り上げて歌っていますが、さすがに合唱付きという訳には普通いかないようでピアノ伴奏のソロ歌曲として歌われることがほとんどです。
( 2014.05.17 藤井宏行 )