Au milieu du jardin P 90 Sei Liriche,prima serie |
庭の真ん中に 6つの抒情歌 第1集 |
Au milieu du jardin la fleur que je désire s' entr' ouvre en ce moment, et la brise tout bas sous les tilleuls soupire dans un frissonnement. Errant entre ses bords,sur le gravier encore l' eau brillante bruit, mais le rayon du jour,hélas! Qui s' évapore va céder à la nuit. |
庭の真ん中に 私の待ち望んでいた花が 今この時 開こうとしている そしてそよ風は穏やかに リンデの木々の下でため息をつき 震えている ふたつの岸辺の間を 砂利の上をさまよい 水が明るい音を立てている だが昼間の輝きは ああ!消え去って行く 夜に屈するのだ |
イタリアの近代作曲家は言葉の親和性からか、けっこうフランス語の詩にメロディをつけることがありますが、こうしてひとつの歌曲集にイタリア語とフランス語の曲が入り混じるというのは珍しいかも知れません。このジャン・モレアスというのはペンネームで、本名はIoannes Papadiamantopoulos、ギリシャの人ですね。彼の詩にはプーランクやアーンが結構な数の曲をつけています。これも印象派風のなんとも美しいメロディの素敵な曲になりました。
( 2014.05.11 藤井宏行 )