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An eine Stadt    
  Hölderlin Fragmente
とある町に  
     ヘルダーリン断章

詩: ヘルダーリン (Johann Christian Friedrich Hölderlin,1770-1843) ドイツ
    Gedichte 1800-1804  An eine Stadt

曲: アイスラー (Hanns Eisler,1898-1962) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Lange lieb' ich dich schon,möchte dich,mir zur Lust,
Mutter nennen,und dir schenken ein kunstloses Lied,
Dir der Vaterlandsstädte
Ländlichschönste,so viel ich sah.

Wie der Vogel des Walds über die Gipfel fliegt,
Schwingt sich über den Strom,wo er vorbei dir glänzt,
Leicht und kräftig die Brücke,
Die von Wagen und Menschen tönt.

Da ich vorüber ging esselt' der Zauber auch mich,
Da herein in die Berge
Mir die reizende Ferne schien,

Du hast dem Flüchtigen
kühlenden Schatten geschenkt und die Gestade
sahen ihm alle nach und es tönte
aus den Wellen das liebliche Bild.

Sträuche blühten herab,bis wo im heitern Tal,
An den Hügel gelehnt,oder dem Ufer hold,
Deine fröhlichen Gassen
Unter duftenden Gärten ruhn.


ずっと長い間私はお前を愛してきた お前を喜んで私は
母と呼びたい そしてお前にこの素朴な歌を捧げる
お前は祖国の都市のうちでも
最も自然に満ちて美しいのだ そう私には見える

森の鳥が山の頂を飛ぶように
お前のそばを輝き流れて行く川の上を越えているのだ
軽やかに力強く 橋が
そこは馬車や人の音が轟く

私がそこを行き過ぎようとすると 魔法が私を引き止めた
あの山の方に向かって
私が素晴らしき遠景を眺めた時に

お前は過ぎ去って行く者に与えてくれる
涼しい木陰を そして岸辺は
去る者を見送り そして描き出すのだ
波間にその愛しい姿を

茂みは花咲いている ここからあの晴れやかな谷間まで
丘にもたれ あるいは岸辺に縋りつくように
お前の陽気ないくつもの街路が
香り立つ庭園のそばで輝いている


これはヘルダーリンの原詩のタイトルが「ハイデルベルグ」ですので、当然ながらその街の描写です。アイスラーはかなり原詩に手をいれて、タイトルもどの町か特定できないものに変えてしまっていますが、それも亡命中の1943年という時期を思えば分かるような気がします。

( 2014.05.10 藤井宏行 )


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