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Tonerna    
 
調べ(音楽)  
    

詩: イェイエル (Erik Gustaf Geijer,1783-1847) スウェーデン
      

曲: シェーベルイ (Carl Leopold Sjoberg,1861-1900) スウェーデン   歌詞言語: スウェーデン語


Tanke,vars strider blott natten ser,
toner hos eder om vila den ber.
Hjärta,som lider,som lider av dagens gny,
toner till eder,till er vill det fly.

思いは、ただこの宵に掻き乱れ
音楽が、それを鎮めてくれる
心は、傷ついている、傷ついているのだ昼間の悩みごとに
音楽が、お前に、お前に癒しを与えてくれる


スウェーデンが生んだ大テノール、ユッシ・ビョルリンクの愛唱歌のひとつです。
北欧音楽らしからぬ重々しくほの暗い旋律が、他方この北欧のパワフルな歌手によって歌われると実に魅惑的な雰囲気を醸し出し、その重々しさが、「音楽が」のところで霧が晴れたように盛り上がっていくところは何度聴いてもため息が出ます。
詩のイェイエルは作曲家でもあり、詩人でも哲学者でもあったというマルチ人間、この人自身もたくさん歌曲を作曲しているようです(私は数曲しか耳にしたことはありませんけれど)
曲のショーベルイは、この歌1曲だけで歴史に残っているといっても過言ではない(というより私は他の作品を知らない)人ですが、この曲に関してはビョルリンクの他にもロッテ・レーマンやニコライ・ゲッダなどの名歌手の録音もある名曲です。
やはりビョルリンクのが素晴らしいと思いますが、北欧歌曲に新しい魅力をもたらしてくれたアメリカのソプラノ、バーバラ・ボニーの録音もあることは知っておいて良いでしょう。もうちょっと豪快に歌ってくれたらこの曲にぴったりの絶唱になったろうに、というのはない物ねだり。女声によるこの曲の録音というのはなかなかないですし、こういう清楚な解釈もまたアリではないかと思います。
(レーマンも女声ですが彼女のは貫禄があり過ぎて別の歌になっている)

( 2004.06.10 藤井宏行 )


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