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Pilgers Morgenlied   Op.33-4 TrV 180  
  Vier Gesänge
巡礼の朝の歌  
     4つの歌

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
      Pilgers Morgenlied (1772)

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Morgennebel,Lila,
Hüllen deinen Turm ein.
Soll ich ihn zum
Letztenmal nicht sehn!
Doch mir schweben
Tausend Bilder
Seliger Erinn'rung
Heilig warm ums Herz.
Wie er da stand,
Zeuge meiner Wonne,
Als zum erstenmal
Du dem Freundling
Ängstlich liebevoll
Begegnetest,
Und mit einemmal
Ewge Flammen
In die Seel' ihm warfst.
Zische,Nord,
Tausend-schlangen-züngig
Mir ums Haupt!
Beugen sollst du's nicht!
Beugen magst du
Kind'scher Zweige Haupt,
Von der Sonne
Muttergegenwart geschieden.

Allgegenwärt'ge Liebe!
Durchglühest mich,
Bötest dem Wetter die Stirn,
Gefahren die Brust,
Hast mir gegossen
Ins früh welkende Herz
Doppeltes Leben,
Freude,zu leben,
Und Mut!

朝の霧が リーラよ
あなたの塔を包んでいる
私にはもうできないのか それを
最後にもう一度見ることは!
だが私には浮かび上がってくる
千もの幻影が
幸せな記憶の
それは心を温める
ちょうどこの塔がそこに立って
私の喜びを見届けていたときのように
それは初めて
あなたが この友を
おずおずと愛情を込めて
迎え入れてくれた時のように
そして突然に
永遠の炎を
この魂に投げ込んだ時のように
鳴り響け 北風よ
千の蛇の舌をもって
私の頭の周りに!
お前に私は屈しはしない
お前にたわめることができるのは
幼い枝の先だけだ
太陽からの
母なる恵みを奪われた枝の

あまねく広がる愛よ!
私を突き抜けて輝け
私は嵐に額をさらし
危険にこの胸をさらす
私に投げ込んでくれたではないか
かつてこの萎れた心の中へと
二重の人生を
生きる喜び
そして勇気とを!


ゲーテ1772年の作、ダルムシュタットの若き才女、ルイーゼ・フォン・ツィーグラーを訪ね、その最後の別れの朝の感興を綴った詩だと言われています。ここで冒頭に呼びかけているリーラというのがこのルイーゼの愛称なのだそうで、情愛のこもった暖かい詩の感じがします。シュトラウスが付けた管弦楽伴奏はところが結構派手で、ちょっと詩にそぐわないように思えますが、いかにもシュトラウスといった華麗な響きと歌声が楽しめます。

( 2014.04.19 藤井宏行 )


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