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Sérénade du Passant    
 
通りすがりのセレナーデ  
    

詩: コペエ (François Coppée,1842-1908) フランス
    Le Passant  Mignonne,voici l'Avril!

曲: マスネ (Jules-Emile-Frederic Massenet,1842-1912) フランス   歌詞言語: フランス語


Mignonne,voici l'Avril!
Le soleil revient d'exil;
Tous le nids sont en querelles;
L'air est pur,le ciel léger,
Et partout on voit neiger
Des plumes de tourterelles.

Fuis le miroir séduisant
Où tu nattes à présent
L'or de tes cheveux de fée;
Laisse là rubans et noeuds,
Car les buissons épineux
T'auront bientôt décoiffé.

Prends,pour que nous nous trouvions,
Le chemin des papillons
Et des frêles demoiselles;
Viens,car tu sais qu'on t'attend
Sous le bois,près de l'étang
Où vont boire les gazelles!

愛しい人よ ほら夜明けだ!
太陽が逃げていたところからまた戻って来た
鳥の巣の中ではみんなさえずっている
空気は澄み 空は軽やかだ
そしてあちこちで雪のように降ってくるのは
鳩たちの羽さ

魅惑の鏡から逃げ出そう
そこで今 君が編んでいるところから
君の妖精の髪の黄金を
リボンや飾り結びなど放って置こうよ
だって 茨の茂みの中では
すぐに解けてしまうのだから

出ておいでよ そうすればぼくたちは会える
蝶の小道のところ
淑女たちの行く道で
さあ 君は知ってるだろう 自分が待たれていると
森の中 池のそばで
そこにはカモシカが水を飲みに来るんだ


この詩にはグノーもメロディをつけています。その項でも書きましたが、これは詩人フランソワ・コペエの詩劇「行きずり Le Passant (1869)」の中で、サラ・ベルナールも演じたという吟遊詩人ザネットが歌うセレナーデです。マスネの曲では第2節に、詩人自らが作曲者のために書きくわえた戯曲にはないものが歌われているようです。
残念ながら現在ではめったに歌われることはないようで、私が耳にすることができたのも往年のソプラノ、ニノン・ヴァランが歌った古いSP録音の復刻のみです。

( 2014.04.05 藤井宏行 )


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