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Hymnus   Op.33-3 TrV 180  
  Vier Gesänge
讃歌  
     4つの歌

詩: シリング (Friedrich Gustav Schilling,1766-1839) ドイツ
      

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Daß du mein Auge wecktest zu diesem goldenen Lichte,
Daß mich dein Äther umfließt;
Daß ich zu deinem Äther
Hinauf einen Menschenblick richte,
Der ihn edler genießt;
Daß du einen unsterbliches Geist,
Der dich,Göttliche,denket und in die schlagend Brust,
Gütige,mir des Schmerzes wohlhät'ge Warnung
Geschenket und diebelohnende Lust;
Daß du des Geistes Gedanken,
Des Herzens Gefühle zu tönen
Mir ein Saitenspiel gabst,
Kränze des Ruhms und das buhlende Glück
Deinen stolzeren Söhnen,
Mir ein Saitenspiel gabst;
Daß dem trunkenen Sinn,
von hoher Begeistrung beflügelt,
Schöner das Leben sich malt,
Schöner in der Dichtung
Krystall die Wahrheit sich spiegelt,
Heller die dämmernde strahlt:
Große Göttin,dafür soll,
Bis die Parzen mich fodern,
Dieses Herzens Gefühl,
Zarter Kindlichkeit voll,
In dankbarem Strahle dir lodern,
Soll aus dem goldenen Spiel
Unerschöpflich dein Preis,
Erhabne Bidnerin,fließen,
Soll dieser denkende Geist
An dein mütterlich Herz
In reiner Umarmung sich schließen,
Bis der Tod sie zerreißt!

御身がわが目をあの金の光で覚まさせ給うたことに
われを御身の霊気で包み給うたことに
われが御身の霊気の高みへと
この人間の眼差しを向け
そしてそれを高貴に堪能させ給うたことに
ひとつの不滅の精神が
御身 神聖なるものを考えさせ この脈打つ胸の内に
善きお方よ われに痛みの有難き警告を
与え給う そして報いの喜びを
御身は魂のことをお考えになり
心の感覚を響かせ給う
われに竪琴の響きを与え
名声の冠と婚礼の幸運を
御身の誇らしき息子たちに
われには竪琴の響きを与え給う
この酔いしれた心が
気高き熱狂で舞い上がるのを
一層美しく生は自らを描き出し
一層美しいのだ 詩の中で
真実が結晶として映し出されるのは
一層明るい黄昏の輝き
偉大な女神がそのために
運命が私を呼ぶまで
この心の感覚は
子供のような繊細さにあふれ
感謝の輝きで御身を照らす
金色の竪琴より
尽きせぬ御身への賛美を
気高き創造の女神は 注ぎ込んだのだ
このもの思う精神を
御身の母のような胸の中へと
清らかな抱擁で固く結ばれて
死ぬまで離れることはないのだ!


4曲からなる管弦楽伴奏の歌曲集作品33、比較的良く演奏される第1・2曲と比べて、3・4曲目はほとんど取り上げられることがありません。
確かにはじめの2曲のようなめくるめく陶酔感には欠けるかも知れませんが、これらも魅力的な作品ではあります。第3曲目の冒頭の目の覚めるようなハープのソロに引き続いて控えめに声が入ってくるところなど実に見事。歌詞の流れがあまり良くないこともあって後半音楽が散漫になってしまうように感じられるのが大変に惜しいです。

3曲目で取り上げられた詩はフリードリッヒ・グスタフ・シリングスという人のもの。18世紀終わり〜19世紀の初めにかけて活躍した劇作家&作家なのだそうです。この詩はシラーが編集していたThaliaという文学ジャーナルに1789年に掲載されたもので、しばしばシラーの作と間違えられることがあり、シュトラウス自身もシラーの詩だと間違っていた可能性もあるとのことです。私の訳が下手なだけのような気もしますが、シラー作とするにはあまり出来がよろしくないように思えるのでこれがそう考えられてきたというのはにわかには信じがたいのですけれども。

( 2014.03.07 藤井宏行 )


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