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This little Babe   Op.28-6  
  A Ceremony of Carols
この小さな赤子は  
     キャロルの祭典

詩: サウスウェル (Robert Southwell,1561-1595) イギリス
      

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス   歌詞言語: 英語


This little Babe so few days old
is come to rifle Satan's fold;
All hell doth at his presence quake
though he himself for cold do shake;
For in this weak unarmèd wise
the gates of hell he will surprise.

With tears he fights and wins the field,
his naked breast stands for a shield;
His battering shot are babish cries,
his arrows looks of weeping eyes,
His martial ensigns Cold and Need
and feeble Flesh his warrior's steed.

His camp is pitchèd in a stall,
his bulwark but a broken wall;
The crib his trench,haystacks his stakes;
of shepherds he his muster makes;
And thus,as sure his foe to wound,
the angels' trump alarum sound.

My soul,with Christ join thou in fight,
stick to the tents that he hath pight.
Within his crib is surest ward,
this little Babe will be thy guard.
If thou wilt foil thy foes with joy,
then flit not from this heavenly Boy


生まれて数日のこの小さな赤子は
サタンの一団を討つためにやって来られました
地獄中がこの御子の存在におののいていますが
御子ご自身もまた寒さに震えられているのです
このように弱く武器も持たないやり方で
御子は地獄の門を驚かすのです

涙をもって御子は戦い、戦場で勝利を収め
その裸の胸が彼の楯となります
大砲の一撃は赤ん坊の泣き声
その矢は泣き濡れた眼差し
御子の軍旗は寒さと貧しさです
そして弱々しい肉体が御子の軍馬

御子の陣は馬屋の中に張られ
御子の砦はただの壊れた壁です
飼い葉桶が塹壕 干し草の束が防杭
羊飼いたちを兵として呼び集め
こうして 確固として敵を倒すのです
天使たちは戦いのラッパを鳴らします

私の魂よ キリストと共にお前も戦うのです
御子の張り給うた天幕を守り
飼い葉桶は確かな護り
この小さな赤子はお前の守り手
お前は敵を喜びと共に打ち砕くことはできるでしょう
だがこの天から来た少年からは逃げることはできないのです


ギターの響きを思わせるようなハープの爪弾きに力強いカノンが絡み合って大変鮮烈な印象を受ける合唱です。まるで黒人霊歌を思わせるようなリズミカルな武器を持たずにサタンの軍勢を打ち破るというその詩の内容はきっと作曲当時の第2次世界大戦のことを念頭に置いていたのでしょう。ブリテン自身の反戦の思いをぶつけてくるかのようです。詩は16世紀のロバート・サスウェル(1561?-1591)のものです。

( 2013.12.23 藤井宏行 )


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