The little old table Op.52-4 Winter Words |
小さな古い書き机 冬の言葉 |
Creak,little wood thing,creak, When I touch you with elbow or knee; That is the way you speak Of one who gave you to me! You,little table,she brought - Brought me with her own hand, As she looked at me with a thought That I did not understand. - Whoever owns it anon, And hears it,will never know What a history hangs upon This creak from long ago. |
きしめ 小さな木製の奴よ きしめ 私がお前を肘や膝でさわった時には それがお前の語り口なのだから お前を私にくれた人のことを話す お前 机よ 彼女が持って来た- 運んできてくれたのだ 彼女自身の手で その時彼女は私を見た ある考えを持って 私には理解できなかった考えを -いつかこれが誰か他の人のものになって 彼がこの音を聞いても 分からないだろう どんな歴史が纏わりついているのかは ずっと昔からの このきしみには |
ひそやかに語りかけるような歌声は怪しく響くピアノ伴奏にまとわりついて、妖艶ささえ感じさせる不思議な味わいの歌になっています。詩もどこか謎めいていて一筋縄では行かないような趣き。「きしめ(Creak)」の繰り返しがとても印象に残ります。
第6詩集 近作・旧作抒情詩よりの詩です。
( 2013.12.14 藤井宏行 )