Sonetto XXIV Op.22-7 Seven Sonnets of Michelangelo |
ソネット第24番 ミケランジェロの7つのソネット |
Spirto ben nato,in cui si specchia e vede Nelle tuo belle membra oneste e care Quante natura e 'l ciel tra no' puo' fare, Quand'a null'altra suo bell'opra cede; Spirto leggiadro,in cui si spera e crede Dentro,come di fuor nel viso appare, Amor,pietà,mercè,cose sì rare Che mà furn'in beltà con tanta fede; L'amor mi prende,e la beltà mi lega; La pietà,la mercè con dolci sguardi Ferma speranz'al cor par che ne doni. Qual uso o qual governo al mondo niega, Qual crudeltà per tempo,o qual più tardi, C'a sì bel viso morte non perdoni? |
良き生まれの魂よ それは映し出している あなたの美しく つつましく愛らしい四肢のうちに 自然と天が生み出し得るあらゆる美しさを 他の何ものも その美しさを超えられはしない 優美な精神よ その内に人は希望と信仰を見る その中では まるで顔の表情に現れているかのように 愛が 思いやりが 慈悲が そんな類い稀なるものが満ちている それは美しさの中にあるとはとても信じられないほどのものだ 愛が私を捕え 美は私を縛り付ける 穏やかな表情をした思いやりが 慈悲が 激しい希望をこの心に満たしてくれる いかなる規律が いかなるこの世の支配が阻めるのか いかなる残酷さが今 あるいはやがて来る時に この可愛い顔を死から遠ざけておいてくれるというのか? |
最後はまた第1曲同様、堂々としてゆったりした音楽です。ピアノの悠然とした伴奏に引き続いて朗々とアカペラで歌うテナーの声はたいへんなインパクトで迫ってきます。詩はやはり愛の賛歌のようで、そのあたりが冒頭の力強さに繋がっているのでしょう。もっとも最後はそんな素晴らしい人も死によって別れが来るのだという諦観でしょう、しんみりと沈んで曲は終わるのでした。
( 2013.11.03 藤井宏行 )