Sonetto XXX Op.22-3 Seven Sonnets of Michelangelo |
ソネット第30番 ミケランジェロの7つのソネット |
Veggio co' bei vostri occhi un dolce lume, Che co' miei ciechi già veder non posso; Porto co' vostri piedi un pondo addosso, Che de' mie zoppi non è già costume. Volo con le vostr'ale senza piume; Col vostr'ingegno al ciel sempre son mosso; Dal vostr'arbitrio son pallido e rosso, Freddo al sol,caldo alle più fredde brume. Nel voler vostro è sol la voglia mia, I mie' pensier nel vostro cor si fanno, Nel vostro fiato son le mie parole. Come luna da sè sol par ch'io sia; Chè gli occhi nostri in ciel veder non sanno Se non quel tanto che n'accende il sole. |
あなたの美しい瞳に私は魅惑の光を見るのだ 私の眩んでしまった目にはすでに見えなくなっているのだが あなたの足元へと私は重荷を運んでゆくが それは私の萎えた足ではもう難しいことなのだ あなたの翼で飛ぶのだ 翼を持たない私は あなたの魂と共に天へと私は向かって行く あなたの意志の前に私は赤面し 蒼ざめるのだ 太陽のもとでは冷たく 最も冷たい霧の中で一層暖かく感じながら あなたの望むものだけが私の唯一の望み 私の思いはあなたの胸の中に生まれる あなたの吐息の中に 私の言葉がある 自分がまるで月のように思えるのだ 私ひとりだけでは それは誰の目にも見えないのだから 天にあっても もしも太陽がそれを照らそうとしなければ |
このソネットは熱い恋心の吐露でしょうか。ここで歌われている「あなた」が誰のことかは誰かは調べられなかったのですが大変情熱的に熱い想いを訴えかけていることだけは分かります。
ブリテンが取り上げたソネットは全般的に難解なものが多いのですが、これはその中ではストレートですので訳も比較的すんなり行きました。曲もひそやかに愛をささやくといった感じで詩の雰囲気になかなか良くマッチしています。時々間に入るピアノの高音のフレーズが実に艶めかしくて素敵です。
( 2013.10.05 藤井宏行 )