Mit den Grünen Lautenband Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
緑色のリュートのリボンに 美しき水車小屋の娘 |
“Schad um das schöne grüne Band, Daß es verbleicht hier an der Wand, Ich hab das Grün so gern!” So sprachst du,Liebchen,heut zu mir; Gleich knüpf ich's ab und send es dir: Nun hab das Grüne gern! Ist auch dein ganzer Liebster weiß, Soll Grün doch haben seinen Preis, Und ich auch hab es gern. Weil unsre Lieb ist immergrün, Weil grün der Hoffnung Fernen blühn, Drum haben wir es gern. Nun schlinge in die Locken dein Das grüne Band gefällig ein, Du hast ja's Grün so gern. Dann weiß ich,wo die Hoffnung wohnt, Dann weiß ich,wo die Liebe thront, Dann hab ich's Grün erst gern. |
かわいそうね このきれいな緑のリボン 色あせてしまうのよ この壁の上で あたし緑色が大好きなの そう君は言ったね いとしい子 今日ぼくに すぐにぼくはそれを解いて 君に送ってあげるよ さあこの緑色を大切にしておくれ! 君の恋人は全身真っ白だけど それでも緑がごほうびなんだ それにぼくもそれがとても好きなんだ なぜってぼくたちの愛は永遠に緑だし はるか彼方の希望も緑色に花咲いている だからぼくたちは緑が好きなんだ さあ飾っておくれ 君の巻き髪に そのかわいい緑のリボンを 君は緑がとっても好きなんだから そしたらぼくにも分かるだろう どこに希望が住んでいるのかが そしたらぼくにも分かるだろう どこを愛が支配しているのかを そのときぼくも緑が好きになるだろう |
愛らしい前奏はリュートを模したものでしょうか。この歌曲集で最後の幸せに満ちた音楽です。が、娘の好きな緑の色は次に出てくる恋敵である狩人の象徴、これと挽いた粉で真っ白になっているこの若者との対比が詞ではほのかに影を落としています。メロディは翳りひとつない屈託なものではあるのですけれども。
( 2013.08.11 藤井宏行 )