Des Müllers Blumen Op.25 D 795 Die schöne Müllerin |
粉挽き職人の花たち 美しき水車小屋の娘 |
Am Bach viel kleine Blumen stehn, Aus hellen blauen Augen sehn; Der Bach,der ist des Müllers Freund, Und hellblau Liebchens Auge scheint, Drum sind es meine Blumen. Dicht unter ihrem Fensterlein, Da will ich pflanzen die Blumen ein, Da ruft ihr zu,wenn alles schweigt, Wenn sich ihr Haupt zum Schlummer neigt, Ihr wißt ja,was ich meine. Und wenn sie tät die Äuglein zu Und schläft in süßer,süßer Ruh, Dann lispelt als ein Traumgesicht Ihr zu: Vergiß,vergiß mein nicht! Das ist es,was ich meine. Und schließt sie früh die Laden auf, Dann schaut mit Liebesblick hinauf: Der Tau in euren Äugelein, Das sollen meine Tränen sein, Die will ich auf euch weinen. |
小川のほとりにはたくさんの花が咲いている 明るい青い瞳で見つめてる 小川 それは粉挽きの友達 恋人の明るい青い瞳は輝く だから花たちはぼくの花なんだ あの子の小さな窓のすぐそば そこにこの花たちを植えてみたい そこであの子を呼んでみたい すべてが静まり返ってるときに あの子の頭がまどろんで揺れているときには お前たち わかってるよな ぼくの言いたいことは それからあの子がかわいいその目を閉じて 甘い 甘い安らぎで眠るとき そのときはささやいておくれ 夢が紡ぎだす姿となって あの子に向かって:忘れないで 忘れないでぼくをって! それがぼくの言いたいことなんだ そしてあの子が朝早く窓を開けるときには 愛のまなざしで見上げておくれ 露をお前たちの瞳にあふれさせてくれ それはぼくの涙でもあるんだ 君のために泣くであろうぼくの |
この「水車小屋の娘」で重要な役割を果たしているのは水車小屋の花たち、折にふれて登場してきますが、この9曲目と、若者が失恋して死を考える第18曲目の「萎れた花」、それともうひとつシューベルトが省略した中にひとつと全部で3つの花をテーマにした詩がこの詩集の中には散りばめられています。
この第9曲は前の歌を受けて穏やかに、しかしながら流麗に歌われています。花たちに「ぼくを忘れないで」と言葉を託していますが、それがこのあと失恋した時の心の深い痛みへとつながっていく伏線となっています。それはその詩を取り上げた時に詳しく触れることにしましょう。ここではまだその不幸を知らない彼の思いが屈託なく歌われて行きます。
( 2013.06.08 藤井宏行 )