The Morning Star Op.44-5 Spring Symphony |
明けの明星 春の交響曲 |
Now the bright morning star, day’s harbinger, Comes dancing from the East, and leads with her The flowery May, who from her green lap throws The yellow cowslip, and the pale primrose. Hail, bounteous May that doth inspire Mirth and youth, and warm desire, Woods and groves, are of thy dressing’ Hill and dale, doth boast thy blessing? Thus we salute thee with our early song, And welcome thee, and wish thee long. |
今 明るい明けの明星 日の出の先駆けは 東の空より踊りながら来て 一緒に連れてくる 花で一杯の五月を その姫君は緑の懐より投げるのだ 黄色いリュウキンカを 青白いプリムローズを ばんざい 寛大な五月よ 呼び覚ましてくれる 歓喜と若さを そして暖かい望みを 森や茂みはお前のドレスとなり 丘や谷はお前の祝福を誇っている こんな風にお前に私たちはあいさつするのだ 朝早い歌声で お前を歓迎するよ お前にずっといて欲しいのだ |
The Morning Starとは明けの明星こと金星のことですね。冒頭と同じような混声合唱が再び分厚いオーケストラとともに重々しく歌います。もちろん今度は陰鬱さはなく、ひたすら荘厳な趣き。鐘をゆったりと打ち鳴らしながら響くブラスのコラールはひときわ印象的です。詩のジョン・ミルトン(1608-1674)は「失楽園」で知られたイギリスの詩人、あまり音楽のつけられた作品はないようで、私もこのブリテンの作品で初めて名前を見かけました。
( 2013.03.30 藤井宏行 )