The Driving Boy (2) Op.44-4b Spring Symphony |
馬を駆る少年(2) 春の交響曲 |
The driving boy, beside his team Of May-month’s beauty now will dream, And cock his hat, and turn his eye On flower, and tree, and deepening sky; And oft burst loud in fits of song, And whistle as he reels along, Cracking his whip in starts of joy? A happy, dirty, driving boy. |
馬を駆る少年が 彼の相棒の脇で 五月の美しさを今 夢に見るだろう 帽子をお洒落にかぶり、そして彼の目を向けている 花に、木に、そして深まりゆく空に そして時折大声で 歌の一節歌いだす、 そして口笛を吹く、ふらふら歩きながら 鞭を鳴らして 喜び一杯に出発するときに 幸せな、埃まみれの、馬を駆る少年が |
前の少年合唱の余韻が消えやらぬ中、ソプラノの独唱がこの詩を歌います。少年合唱は歌ではなく口笛でそれに応え、春の喜ばしさが否応なく伝わってきます。最後は少年合唱が前のメロディを再び歌い、音楽は馬を駆る少年が遠ざかって行くように静かに消えて行きます。
ジョン・クレア(1793〜1864)は19世紀に活躍した農民出身の詩人。この詩も朴訥とした味わいがなかなか良いですね
( 2013.03.30 藤井宏行 )