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Flickan kom ifrån sin älskings möte   Op.37-5  
  5 Laulut
デートから戻った娘  
     5つの歌

詩: ルーネベリ (Johan Ludvig Runeberg,1804-1877) フィンランド
    Lyriska dikter II - Idyll och epigram 1 Flickan kom ifrån sin älsklings möte

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Flickan kom ifrån sin älsklings möte,
kom med röda händer. - Modern sade:
“Varav rodna dina händer,flicka?”
Flickan sade: “Jag har plockat rosor
och på törnen stungit mina händer.”

Åter kom hon från sin älsklings möte,
kom med röda läppar. - Modern sade:
“Varav rodna dina läppar,flicka?”
Flickan sade: “jag har ätit hallon,
och med saften målat mina läppar.”

Åter kom hon från sin älsklings möte,
kom med bleka kinder. - Modern sade:
“Varav blekna dina kinder,flicka?”
Flickan sade: “Red en grav,o moder,
göm mig där och ställ ett kors däröver
och på korset rista som jag säger:

En gång kom hon hem med röda händer,
ty de rodnat mellan älskarns händer.
En gång kom hon hem med röda läppar,
ty de rodnat under älskarns läppar.
Senast korn hon hem med bleka kinder,
ty de bleknat genom älskarns otro.”

娘が恋人とのデートから帰ってきた。
手を真っ赤にして帰ってきた。母は尋ねる
「どうしてお前の手は赤いの?娘や」
娘は答えた「あたしバラを摘んだの。
そしたら棘があたしの手を刺したのよ」

再び娘が恋人とのデートから帰ってきた。
くちびるを真っ赤にして帰ってきた。母は尋ねる
「どうしてお前のくちびるは赤いの?娘や」
娘は答えた「あたしキイチゴを食べたの。
そしたらくちびるが汁で染まったのよ」

再び娘が恋人とのデートから帰ってきた。
頬を真っ青にして帰ってきた。母は尋ねる
「どうしてお前の頬は青いの?娘や」
娘は答えた「お墓を用意して。ああ、おかあさん。
そこに私を埋めて、そして一本の十字架を置いて
その十字架にあたしのいうことを刻んで...

ある日彼女は赤い手をして家に帰った
それは恋人の手に触れて赤くなったから
ある日彼女は赤いくちびるをして家に帰った
それは恋人のくちびるに触れて赤くなったから
ある日彼女は青い頬をして家に帰った
それは恋人の裏切りを知って青くなったから」


シベリウスの歌曲というと、割と初期の頃にたくさん書かれているようで、それらは実に濃厚なロマンに溢れています。この曲(Op.37-5)なども、ピアノの厚い響きといいむせ返るような旋律といい、リヒャルト・シュトラウスの歌曲を聴いているかのような錯覚に囚われます。後期ロマン派の掘り出しものとして、マーラーやR・シュトラウスの歌曲のお好きな方は、ベルクやツェムリンスキーに走るよりも、このシベリウスの世界を探訪してみられてはいかがでしょうか?
BISにあるシベリウス歌曲全集の第1巻で、フォン・オッターのメゾによる名唱が聴けますけれども、この曲の R?シュトラウス張りの濃厚さを味わうのに打ってつけの録音は、ニューヨークフィルハーモニックの分厚いオーケストラをバックに、一昔前の大テナー、ユッシ・ビョルリンクが歌ったものです(GALA)。
R?シュトラウスの楽劇、「バラの騎士」か「アラベラ」か、という凄まじい世界が広がっていて実に面白い聴きものでした。

( 2001.02.20 藤井宏行 )


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