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Batter my heart   Op.35-2  
  The Holy Sonnets of John Donne
私の心を打ち砕いてください  
     ジョン・ダンの宗教的なソネット

詩: ダン (John Donne,1572-1631) イギリス
    Holy Sonnets 14 

曲: ブリテン (Edward Benjamin Britten,1913-1976) イギリス   歌詞言語: 英語


Batter my heart,three person'd God; for you
As yet but knocke,breathe,shine,and seeke to mend;
That I may rise,and stand,o'erthrow me,and bend
Your force,to breake,blowe,burn and make me new.

I,like an usurpt towne,to another due,
Labour to admit you,but Oh,to no end,
Reason your viceroy in mee,mee should defend
But is captiv'd,and proves weake or untrue.

Yet dearely I love you,and would be loved faine,
But am betroth'd unto your enemie:
Divorce mee,untie,or breake that knot againe,
Take mee to you,imprison mee,for I

Except you enthrall mee,never shall be free,
Nor ever chaste,except you ravish mee.

私の心を打ち砕いてください 三位一体の神よ なぜなら御身は
今まで叩き 息を吹きかけ 照らして直そうとされてこられましたが
私が起きて立っていられるように 私を打ち倒して造り替えてください
御身の力で打ち壊し 吹き飛ばし 焼いて私を新たなものにしてください

私は奪われた町のように 他に本当の主がありながら
御身を受け入れようと努めても ああそれができないのです
理性という代理人が私のうちにあり 私を守るはずでした
ですが捕えられ 弱くて当てにならないことが分かってしまいました

しかし心から私は御身を愛し 熱烈に愛されたいと願っております
なのに私は御身の敵と契ってしまったのです
私を離縁させてこの束縛を解き 断ち切ってください
私を御身のもとに連れて行き 閉じ込めてください なぜなら私は

御身が奴隷にして下さらなければ 決して自由にはなれず
決して純潔にもなれないのです 御身に犯されるのでなければ


第2曲は深い悔悟の歌。速いパッセージで激しく歌われて行きます。テノールの激しい絶叫はこんな音楽にはとても良く映えて、ピアノの叩きつける打鍵と共に大変印象的です。詩はなかなかに哲学的で味わいがあります。逆説的な、しかも際どい内容の比喩が何とも面白いですが、死を前にした者の告解としてはちょっと理屈が過ぎるでしょうか。さすがダンと言えなくもありませんが。もとの詩集では14番目の詩です。

( 2013.01.26 藤井宏行 )


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