Die Darstellung Mariä im Tempel Op.27-2 Marienleben |
寺院におけるマリアの奉献 マリアの生涯 |
Um zu begreifen,wie sie damals war, mußt du dich erst an eine Stelle rufen, wo Säulen in dir wirken; wo du Stufen nachfühlen kannst; wo Bogen voll Gefahr den Abgrund eines Raumes überbrücken, der in dir blieb,weil er aus solchen Stücken getürmt war,daß du sie nicht mehr aus dir ausheben kannst: du rissest dich denn ein. Bist du so weit,ist alles in dir Stein, Wand,Aufgang,Durchblick,Wölbung - so probier den großen Vorhang,den du vor dir hast, ein wenig wegzuzerrn mit beiden Händen: da glänzt es von ganz hohen Gegenständen und übertrifft dir Atem und Getast. Hinauf,hinab,Palast steht auf Palast, Geländer strömen breiter aus Geländern und tauchen oben auf an solchen Rändern, daß dich,wie du sie siehst,der Schwindel faßt. Dabei macht ein Gewölk aus Räucherständern die Nähe trüb; aber das Fernste zielt in dich hinein mit seinen graden Strahlen -, und wenn jetzt Schein aus klaren Flammenschalen auf langsam nahenden Gewändern spielt: wie hältst du's aus? Sie aber kam und hob den Blick,um diese alles anzuschauen. (Ein Kind,ein kleines Mädchen zwischen Frauen.) Dann stieg sie ruhig,voller Selbstvertrauen, dem Aufwand zu,der sich verwöhnt verschob: So sehr war alles,was die Menschen bauen, schon überwogen von dem Lob in ihrem Herzen. Von der Lust sich hinzugeben an die innern Zeichen: Die Eltern meinten,sie hinaufzureichen, der Drohende mit der Juwelenbrust empfing sie scheinbar: Doch sie ging durch alle, klein wie sie war,aus jeder Hand hinaus und in ihr Los,das,höher als die Halle, schon fertig war,und schwerer als das Haus. |
もしも知りたければ そのとき彼女がどんなであったのかを お前はまず ひとつの場所を思い描かねばならぬ そこでお前の中に柱を立て そこにお前は階段を 浮き立たせることができるだろう そこには危うさで一杯のアーチが架かって 深淵の広がりの上に橋を渡している それはお前の中にしっかりと根付くだろう なぜならその石材はしっかりと 積み上げられて もはやお前がそこから逃れられない程に 埋め込まれており お前は身を引き裂くしかないほどだからだ こうしてお前がすっかり すべてが石となったなら 壁も 階段も テラスも 天井も そうしたら試みてみよ お前の前にかかっている垂れ幕を ほんの少し その両手で持ち上げて見よ すると気高き壮麗さから発する輝きは お前の息も感覚も麻痺させるであろう 上に下にと 宮殿は宮殿に重なり 欄干はさらにまた欄干に連なっている そしてその頂きを見上げれば お前は それを見てめまいを覚えるであろう 香炉より焚かれる煙の雲は あたりを暗くするが 遠くの目標に向かって お前の中へとその真っ直ぐな光を注ぎ込むのだ そして今清らかな炎の聖杯よりの光が ゆっくりと近づいてくる法衣に絡みつくとき いかにしてお前はそれに耐えられよう? 彼女はしかしやってきて持ち上げたのだ その眼差しを これらすべてを見ようと (ただひとりの子供 まわりの女たちの中の幼い少女でしかなかったのに) それから彼女は静かに登った 自信に満ちて 豪奢に飾られた祭壇の上へと それほどまでにあらゆる人間の作り上げたものは 圧倒されていたのだ その誉れに 彼女の心の中にある誉れに また喜びに 内面の印に自らを捧げるという喜びに 両親は考えた 彼女を抱き上げて 宝石を胸につけた恐ろしげな僧侶も 彼女を受け入れたつもりであった だが彼女は進んで行った まだ幼かったが 人々の手を逃れて 彼女の運命の中へと それはこの広間よりも高く すでに完成されていた そしてこの神殿よりも重かった |
11月21日はマリア奉献の記念日として祝われているのだそうです。この詩にあるように幼いマリアが両親に連れられてエルサレムの神殿を訪れた際に、誰の手助けも得ずに神殿の階段を昇り、司祭のもとに行ったという言い伝えに基づいています。幼児ですから勝手にあちこち歩き回るのは何ら不思議でもないような気がしなくもありませんが、リルケの手にかかると何かおそろしく神々しい奇蹟のように見えてきてしまいます。巨大な神殿と、まだ小さなマリアの姿との対比が鮮烈ですが、かなり難解な詩は読み込むのにたいへん骨が折れます。
ヒンデミットの音楽は静かな、しかし熱気を秘めた重厚さで始まり、段々テンポが速くなって鮮烈な盛り上がりへと至ります。マリアの登場してからは楚々として穏やかな描写に変わり、その対比はとても印象的です。1923年版はピアノ伴奏含め尖がった感じが面白く、1948版はもっと重厚です。どちらかといえば1923年版の才気あふれる表現の方が私には面白く聴けました。
( 2012.11.21 藤井宏行 )