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Reich mir die Hand,o Wolke   Op.104-5  
  Sieben Lieder von Elisabeth Kulmann
手を差し伸べて、おお雲よ  
     エリーザベト・クールマンの詩による7つのリート

詩: クールマン (Elisabeth Kulmann,1808-1825) ロシア
    Gemäldesammlung in vierundzwanzig Sälen - 10. Zehnter Saal 28 An eine Wolke

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Reich mir die Hand,o Wolke,
Heb mich zu dir empor!
Dort stehen meine Brüder
Am offnen Himmelstor.

Sie sind's,obgleich im Leben
Ich niemals sie geseh'n,
Ich seh' in ihrer Mitte
Ja unsern Vater steh'n!

Sie schau'n auf mich hernieder,
Sie winken mir zu sich.
O reich' die Hand mir,Wolke,
Schnell,schnell erhebe mich!

手を差し伸べて、おお雲よ
あなたのところまで引き上げて!
そこにはわたしの兄さんたちがいる
開かれた天の扉のところに

兄さんたちが生きているときの
姿をわたしは見たことがないのだけれど
わたしには見える 兄さんたちの間に
そう わたしたちの父さんの姿が!

みんなでわたしを見下ろしているわ
わたしにくるように手招きしてる
おおわたしに手を差し伸べて 雲よ
急いで、急いで引き上げて!


Wie oft in ihren Dichtungen beschäftigt sie sich visionsartig mit ihren Hingeschiedenen. Mit herrlicher Liebe hängt sie an dieser Welt,ihren Blumen,den leuchtenden Gestirnen. den edlen Menschen,die ihr auf ihrem kurzen Lebensweg begegneten. Aber es ahnt ihr dass sie sie bald verlassen muss.

なんと頻繁に自分の詩の中に彼女は死んだ家族の姿を描き出していることだろう。深い愛情をもって彼女はこの世界にこだわっていた 花 輝く星たち 彼女がその短い生涯の間に出会った気高い人々に。だが彼女は予感していたのだ それらのものとの別れが近いことを。


第1曲目のコメントで書きました通り、彼女はまだ幼い頃に父親と6人の兄を失い、母とふたり残されました。記憶すらおぼろげな父と兄たちの姿を幻で見る、あの世へのチャンネルが開いた瞬間でしょうか。心の動揺を表すような激しい音楽が印象的です。

( 2012.11.17 藤井宏行 )


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