Dapheneo Trois Mélodies de 1916 |
ダフェネオ 1916年の3つのメロディ |
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教えて、ダフェネオ 実が泣く鳥になっている あの木はなんという木なの あれはね、クリザリーヌ 鳥の木だよ ああ、私、今までハシバミの実は ハシバミの木になるのだと思ってた ダフェネオ そうだよ、クリザリーヌ ハシバミの木にはハシバミの実がなる でも鳥の木には泣く鳥がなるのさ ああ |
シュールな詩に醒めた音楽、サティらしいと言えばこれほどサティらしい音楽もないのではないでしょうか。最後の「ああ」など、何に困って溜息をついているのかさっぱり分かりませんが、なんとも奇妙で面白いです。
7色の声のソプラノ、キャシー・バーベリアンの歌(ERMITAGE)やベルリオーズやショーソンの歌曲で絶大な魅力を示してくれているレジーヌ・クレスパンのもの(Sony)など、さすが技巧に富んでいて良いのですが、やはりこの曲、私の知る限りで最も素晴らしいと思うのは、この曲の初演者、ジャンヌ・バトリが、作曲家ダリウス・ミヨーの伴奏で録音したSPです(EMI)。
なんとなくたどたどしく感じさせる古いスタイルの歌なのですが、そもそもサティはこうあるのが本来の姿ではないかということで実に説得力があります。
やはりサティをあんまり上品に、お洒落に演奏するのは大きな勘違いなのだなあということを実感させてくれる演奏です。
( 2003.09.20 藤井宏行 )