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Changeons propos,c'est trop chanté d'amour   Op.15-6  
  Sept Chansons de Clément Marot
話題を変えましょう 愛のことを歌いすぎましたから  
     クレマン・マロの7つのシャンソン

詩: マロ (Clement Marot,1496-1544) フランス
      Changeons propos,c'est trop chanté d'amour

曲: エネスコ (Georges Enescu,1881-1955) ルーマニア   歌詞言語: フランス語


Changeons propos,c'est trop chanté d'amours,
Ce sont clamours,chantons de la serpette:
Tous vignerons ont à elle recours,
C'est leur secours pour tailler la vignette;
Ô serpillette,ô la serpillonnette,
La vignollette est par toy mise sus,
Dont les bons vins tous les ans sont yssus!

Le dieu Vulcain,forgeron des haultz dieux,
Forgea aux cieulx la serpe bien taillante,
De fin acier trempé en bon vin vieulx,
Pour tailler mieulx et estre plus vaillante.
Bacchus la vante,et dit qu'elle est seante
Et convenante à Noé le bon hom
Pour en tailler la vigne en la saison.

Bacchus alors chappeau de treille avoit,
Et arrivoit pour benistre la vigne;
Avec flascons Silenus le suyvoit,
Lequel beuvoit aussi droict qu'une ligne;
Puis il trepigne,et se faict une bigne;
Comme une guigne estoit rouge son nez;
Beaucoup de gens de sa race sont nez.

話題を変えましょう 愛のことを歌いすぎましたから
もううんざりでしょう 歌いましょう 枝刈りナイフのことを
ブドウ農家はみな それを使っているのです
とても便利です ブドウの蔓を切るのに
おお小さなナイフよ おお可愛い小さなナイフよ
ブドウの木はお前のおかげで整えられて
おいしいワインを毎年生み出すのです

鍛冶の神バルカンが高位の神のため
天で鍛えたのです このよく切れるナイフを
古い良いワインに漬けられた良質の鉄から
これをもっと良く切れてもっと価値あるものにしようと
バッカスがこれを讃えて言いました このナイフは
あの善良なノアにうってつけの道具であると
ブドウを季節に切り取るのに

バッカスはその時ブドウの葉の帽子をかぶっていて
よくブドウの木を祝福しにきたものでした
酒瓶を手についてきたのが従者サテュロスで
彼はザルのように酒を呑むことができたのです
それで彼はつまずいて あざを作ってしまいました
イチジクのように彼の鼻は赤くなったのです
たくさんの人々が彼の子孫として生まれました


第6曲はユーモアを漂わせる軽快な曲。歌詞も面白いです。洪水のあとブドウを植えたという伝説があるノアや、半獣半人の精霊サテュロスの粗相など、酒飲みが世の中に多いのはこのサテュロスの子孫が多いからだ、とでも言いたそうな最後のオチも思わずほほ笑まされてしまいます。あんまり女性が喜びそうな話題のようには思えませんけれども...

( 2012.10.27 藤井宏行 )


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