Abschied vom Walde Op.89-4 Sechs Gesänge von Wielfried von der Neun |
森のお別れ フォン・デア・ノインの6つの詩 |
Nun scheidet vom sterbenden Walde Der Wandrer mit Herz und Mund: »Wie wardst du mir lieb so balde, Was sangst du mir vor allstund! Wohl wußt' ich deine Sprache, Wohl kannt' ich deinen Sang, Und will's an manchem Tage Nachsingen trüb und bang. Doch nun,o Wald,dein Rauschen, Dein Brausen laß mir sein! Nicht alles mag ich tauschen Für Herbstes Melodein!« |
今別れを告げる 死にゆく森に 旅人は 心と言葉で 「ぼくはお前がすぐに気に入ったのさ お前はぼくにいつでも歌ってくれていたから! お前の言うことはよく分かった お前の歌もしっかり覚えた それをこれから幾日でも 歌って行こう つらく悲しい時に だけど今は 森よ お前のざわめきを お前のとどろきをぼくに響かせてくれ! あらゆるものをぼくは引き換えたくはないのだ この秋のメロディと! |
第4曲も秋の歌。どっぷりと暗いメロディがついていそうな詩ですが、シューマンは明るさの中にほのかな翳りを見せる、実に味わい深い音楽としています。この時期のシューマンの作風に非常に良くマッチした傑作ではないでしょうか。強いインパクトはないですが、しみじみと心に残ります。
( 2012.10.19 藤井宏行 )