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Gang zur Liebsten   Op.14-6  
  Acht Lieder und Romanzen
恋人のところへ行く道  
     8つの歌とロマンス

詩: ドイツ語の民謡 (Volkslieder,-) 
      

曲: ブラームス (Johannes Brahms,1833-1897) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Des Abends kann ich nicht schlafen gehn,
Zu meiner Herzliebsten muß ich gehn,
Zu meiner Herzliebsten muß ich gehn,
Und sollt' ich an der Tür bleiben stehn,
Ganz heimelig!

»Wer ist denn da? Wer klopfet an,
Der mich so leis aufwecken kann?«
Das ist der Herzallerliebste dein,
Steh auf,mein Schatz,und laß mich ein,
Ganz heimelig!

Wenn alle Sterne Schreiber gut,
Und alle Wolken Papier dazu,
So sollten sie schreiben der Lieben mein,
Sie brächten die Lieb' in den Brief nicht ein,
Ganz heimelig!

Ach,hätt' ich Federn wie ein Hahn
Und könnt' ich schwimmen wie ein Schwan,
So wollt' ich schwimmen wohl über den Rhein,
Hin zu der Herzallerliebsten mein,
Ganz heimelig!

今夜は眠れそうもない
ぼくの恋人のところに行かなくちゃ
ぼくの恋人のところに行かなくちゃ
そして戸口のところに立ってなくちゃいけない
静かにそっと!

誰がそこにいるの? 誰が戸を叩くの
私をこんなにやさしく起こすことができるのは?
それはお前の大事な恋人さ
起きてくれ、恋人よ、そして中に入れてくれ
静かにそっと!

すべての星たちが上手なもの書きで
そしてすべての雲がそのための神だったら
彼らに恋人への手紙を書いてもらうけど
彼らは愛情を持ちこめはしない その手紙の中には
静かにそっと!

ああ ぼくに羽根があったら 雄鶏のような
そして泳げたのなら 白鳥のように
そしたらぼくは泳いでライン川を越えて
ぼくの大事な恋人のところに行くんだけれど
静かにそっと!


ブラームスはこの詩がお気に入りのようで、のちにドイツ民謡集の1曲としてツッカルマリオの編纂した曲の編曲、更には別の合唱曲にも取り上げています。
第2節などは「少年の不思議な角笛」の中の「美しいトランペットの鳴るところ」に使われたのと全く一緒です。いやむしろ この歌曲の下敷きとなった「Unbeschreibliche Freude 書き表しようのない喜び」(マーラーの当該曲の項でご紹介しております)と非常によく似ていることがお分かりかと思います。まあこちらはシンプルな愛の歌で、凄絶な死の匂いがするマーラーが曲をつけた方の詩とはだいぶ雰囲気は違うのではありますが。
原詩はツッカルマリオが編集した1838年出版のドイツ民謡集より。「少年の不思議な角笛」よりだいぶ後の歌集です。他にもブラームスは有名な「49のドイツ民謡集Wo.34」はじめ、このツッカルマリオの民謡集から(そして民謡を謳ってはいますがツッカルマリオ自身の詩にも)メロディをいろいろつけています。

( 2012.10.05 藤井宏行 )


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