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Das bucklige Männlein   Op.22-6  
  Sechs Lieder
せむしのこびとさん  
     6つの歌曲

詩: 少年の不思議な角笛 (Des Knaben Wunderhorn,-) ドイツ
    Anhang: Kinderlieder 54 Das bucklige Männlein

曲: ツェムリンスキー (Alexander von Zemlinsky,1871-1942) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Will ich in mein Gärtlein gehn,
Will meine Zwiebeln gießen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Fängt als an zu niesen.

Will ich in mein Küchel gehn,
Will mein Süpplein kochen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Hat mein Töpflein brochen.

Will ich in mein Stüblein gehn,
Will mein Müslein essen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Hat schon halber gessen.

Will ich auf mein Boden gehn,
Will mein Hölzlein holen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Hat mirs halber g'stohlen.

Will ich in mein Keller gehn,
Will mein Weinlein zapfen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Thut mir'n Krug wegschnappen.

Setz ich mich ans Rädlein hin,
Will mein Fädlein drehen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Läßt mirs Rad nicht gehen.

Geh ich in mein Kämmerlein,
Will mein Bettlein machen;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Fängt als an zu lachen.

Wenn ich an mein Bänklein knie,
Will ein bislein beten;
Steht ein bucklicht Männlein da,
Fängt als an zu reden.

Liebes Kindlein,ach ich bitt,
Bet' für's bucklicht Männlein mit!

お庭に行って
玉ねぎにお水をあげるつもりだったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
くしゃみを始めたの

台所に行って
スープを作ろうと思ったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
お鍋をこわしちゃった

あたしのお部屋に行って
ジャムを食べようとしたの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
もう半分食べちゃってた

屋根裏へ行って
たきぎを何本か取ってくるつもりだったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
半分盗んでた

地下倉に行って
ワインの栓を開けようと思ったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
ビンをひったくっていく

糸巻きの前にすわって
糸をつむぐつもりだったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
糸車を回らないようにしてた

寝室へ行って
ベッドをしつらえようと思ったの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
笑い始めたの

ベンチの上にひざまずいて
お祈りしようとしたの
でもそこにせむしのこびとさんが立っていて
話し始めたの

かわいい子 お願いだから
このせむしのこびとのために お祈りしておくれ


ドイツでは大変に良く知られた童謡なのだそうですが、それをブレンターノ&アルニムが民謡集「少年の不思議な角笛」に収録したものからツェムリンスキーは曲をつけています。なんとも妖しげなこの詞にツェムリンスキーもとても幻想的な音楽を付けました。怪しく踊るようなピアノの伴奏がことのほか印象的です。最後のお祈りのところでは音楽もテンポを落として静かに終わります。
ツェムリンスキーの曲では「屋根裏」と「地下倉」の2節は省略されておりますが、ここでは全部取り上げて訳してあります。

( 2012.09.22 藤井宏行 )


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