Chanson d'amour Op.28-2 Trois Chansons de Shakespeare |
愛の歌 3つのシェイクスピアの歌 |
Loin de moi,loin de moi ces lèvres que j'adore Et dont le mensonge,hélas! fut si doux. Ces beaux yeux que le ciel de mai prend pour l'aurore Ces yeux qui rendaient le matin jaloux. Mais si malgré tout ma douleur te touche, Ah! Rends-moi,rends-moi mes baisers, Sceaux d'amour qui furent posés En vain sur tes yeux,tes yeux et ta bouche. |
私から離れよ 私から離れよ 私の愛したくちびるよ 触れたときには、ああ!とても甘かったのだが あの美しい瞳もだ 五月の空が夜明けのために選んだ 朝を嫉妬させるほどの瞳 それでももし 私の苦しみに触れてくれるなら ああ!戻ってきて 戻ってきて 私のくちづけよ 愛の封印はなされたのだ 空しくも お前の目に お前の目 そしてお前のくちびるに |
第2曲もブショールの脚色が著しく、しばらくシェイクスピアの元ネタが分かりませんでした。戯曲「尺には尺を (Measure for Measure)」、第4幕第1場の冒頭場面、権力を持って血迷い始めたアンジェロ公爵代理に捨てられた恋人マリアナのそばで少年が歌う歌で”Take,o take those lips away”。良く知られた詩で、イギリス歌曲としてよく取り上げられています。原詩とその訳はクィルターのところで取り上げましたのでご覧ください。
ショーソンのつけたメロディは失恋の歌らしく憂いに満ちています。まあ彼の音楽の大部分が憂いに満ちているのではありますが。
さあ 持って行け この唇をどこへでも (ロジャー・クィルター)
( 2012.09.29 藤井宏行 )