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Heimkehr    
  Seven Songs from the Norwegian
帰郷  
     7つのノルウェーの歌

詩: ティッシャー (G. Tischer,-) ドイツ?
      Ved Rondane (1861) 原詩: Aasmund Olavsson Vinje ヴィニエ

曲: ディーリアス (Frederick Theodore Albert Delius,1862-1934) イギリス   歌詞言語: ドイツ語


Nun seh' ich meine Berg' und Täler wieder,
Die einst ich sah in ferner Kinderzeit,
Auf meine Stirn sinkt kühl der Abend nieder,
Und golden glänzt der Schnee auf Bergen weit.

Ich höre singen längst vergeßne Lieder
Und steh' gedankenvoll doch fröhlich da,
Mir wacht Erinn'rung auf aus Jugendtagen
Es übermannt mich,daß ich's kaum kann sagen.

Und neue Kraft durchdringet meine Glieder,
Ich seh' des Bergstroms schäumend wilden Fall,
Ich hör' der Vöglein süß Gezwitscher wieder,
Den Aar verfolgt mein Blick im weiten All.

Ein weicher Windhauch kühlt die müden Lider,
Es ruht des Tages Lärm und dumpfer Schall.
Gern will ich rasten hier wo alles schweiget,
Wenn einst die Sonne mir den Heimweg zeiget.

今私は眺める ふるさとの山や谷を再び
はるか遠い子供の時代に見てきた光景を
私の額には夕暮れが涼しく沈み込み
金色に雪は輝いている 遠くの山の上で

私は聞く ずっと忘れていた歌が歌われるのを
そして立ちつくすのだ 思いにふけり だが幸せにそこへ
私に思い出が目覚めたのだ 若き日々の
それは私を打ちのめし 私は一言もしゃべることができない

そして新しい力が私の手足に湧き上がる
私は見る 山の渓流が激しく泡立ちながら流れるのを
私は聞く 鳥たちの甘いさえずりを
鷲を私の視線は追って行く 空の広がりの中

穏やかなそよ風が疲れたまぶたを冷やしてくれる
日々の喧騒や陰鬱な音は静まり 
心地よく私もここで安らぐ すべてが静まり返ったところ
かつて太陽が私を家へと導いてくれたところで


7つのノルウェーの歌、1曲だけグリーグがOp.33で12篇の詩を取り上げて歌曲にしているニーノシュク(ランスモール)語の詩人ヴィニエの詩をもとにした歌があります。この歌の原詩もさる解説によればグリーグが歌曲にしている、とありましたので調べてみると、Op.33-9の「ルンダルネに Ved Rondane」がどうもそれにあたるようです。タイトルが全然違っているのと、元の言葉ニーノシュクが難しくて意味が取れているかどうか疑問なところもあって100%この元がこれだと確信はできませんでしたが、一応グリーグの取り上げた詩へのリンクも貼っておきます。

ルンダルネに (エドワルド・グリーグ)

グリーグがつけたメロディも実に美しい感動的なものでしたが、こちらもしみじみと美しく、味わい深い音楽になっています。

( 2012.09.22 藤井宏行 )


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