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Ein Vogelweise    
  Seven Songs from the Norwegian
鳥の物語  
     7つのノルウェーの歌

詩: パッサルゲ (Ludwig Passarge,1825-1912) ドイツ
      En Fuglevise 原詩: Henrik Ibsen イプセン,Digte

曲: ディーリアス (Frederick Theodore Albert Delius,1862-1934) イギリス   歌詞言語: ドイツ語


Wir gingen an einem Maientag
in schattiger Allee
Geheimnisvoll und dunkel,
verschwiegen wie ein See.
Der Westwind wehte leise
und alles war so gut.
Auf einem Ast ein Vöglein
sang für die junge Brut,

Ich malte Dichterbilder,
wie Regenbogen bunt;
Zwei braune Augen lachten,
sie bot mir ihren Mund.
Doch über unsern Köpfen
klangs wie Kichern ungefähr.
Wir schieden von einander
und sah'n uns niemals mehr.

Wenn ich nun einsam wandte
in schattiger Allee,
so tut die muntre Vogelschar
dem Herzen doppelt weh,
Frau Amsel hat gemerkt sich,
was wir uns gesagt zuletzt,
und eine Weise gedichtet
und in Musik gesetzt,

Nun singen all die Vöglein hell
aus ihrer luft' gen Höh
Von unserm Maiengange
in schattiger Allee.

ぼくらは歩いてた とある五月の日
 この木陰の道を
そこは魅惑的で薄暗く
 静かだった まるで湖のように
西風は穏やかに吹いて
 すべては幸せそうだった
枝の上には一羽の小鳥が止まって
 雛たちのために歌を歌っていた

ぼくは描いた 詩人の肖像を
 虹色の彩りで
ふたつの茶色の瞳が笑い
 彼女はぼくにくちづけをくれた
だけどぼくらの頭の上では
 からかうような響きが聞こえてきた
ぼくらは別れた
 そしてもう二度と会うことはなかった

ぼくがひとりぼっちでさまよう時
 この木陰の道を
陽気な鳥の群れは
 この心を傷つける
クロウタドリ婦人は覚えてた
 ぼくらが最後に語り合ったことを
ひとつの物語を作り上げて
 そいつを音楽にしたのだ

今や鳥たちは皆で明るく歌う
 大空の高いところから
ぼくらが五月に歩いていたことを
 この木陰の道を


失った恋をちょうど一年後の五月にまたしみじみと思い返しています。目撃者の小鳥は今年も歌っている... この原詩にもグリーグは曲をつけていて(Op.25-6)そちらは悩みを吹っ切ったかのような明るい歌になっていましたが、華やかな伴奏に乗った歌が時折沈むところなど、ディーリアスの曲はまだ痛手を引きずっているような感じです。最後はグリーグのもの同様、華麗に盛り上がって終わります。
オーケストラ編曲は指揮者としても有名だったビーチャム。ピアノ版では第7曲。英語の詞はこれもピアースのものがつかわれています。

鳥の歌 (エドワルド・グリーグ)

( 2012.09.22 藤井宏行 )


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