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Traum durch die Dämmerung   Op.29-1 TrV 172  
  Drei Lieder
黄昏の中の夢  
     3つの歌曲

詩: ビーアバウム (Otto Julius Bierbaum,1865-1910) ドイツ
      Traum durch die Dämmerung

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Weite Wiesen im Dämmergrau;
Die Sonne verglomm,die Sterne ziehn;
Nun geh’ ich hin zu der schönsten Frau,
Weit über Wiesen im Dämmergrau,
Tief in den Busch von Jasmin.

Durch Dämmergrau in der Liebe Land;
Ich gehe nicht schnell,ich eile nicht;
Mich zieht ein weiches,sammtenes Band
Durch Dämmergrau in der Liebe Land,
In ein blaues,mildes Licht.

黄昏に包まれた広い野原
太陽は沈み、星がまたたきはじめた
僕は今、世にも美しい人に会いに行く
黄昏の野原を越え
ジャスミンの茂みを抜けて

黄昏の中を愛の地へ
決して急がずにゆっくりと
柔らかいビロードのリボンに導かれ
僕は決して急がずゆっくりと進んでゆく
青く柔らかな光の中へ

ソプラノ歌手の妻のためにたくさんの美しい歌曲を残したシュトラウスですが、この作品は、演奏会の前に妻が化粧している30分ほどの間に作曲してしまったという伝説のある曲です。しかし短いながらイマジネーション豊かな詩につけられたおだやかで陶酔的な音楽は素晴らしく、シュトラウス歌曲の中でも最も好きなひとつです。別項でも触れたフィッシャー=ディースカウの最初のシュトラウス歌曲集の第1曲に置かれていたことも印象を深めているかもしれません。

( 2001.08.07 甲斐貴也 )


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