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Wiegenlied   Op.41-1 TrV 195  
  Fünf Lieder
子守歌  
     5つの歌曲

詩: デーメル (Richard Fedor Leopold Dehmel,1863-1920) ドイツ
    Erlösungen; eine Seelenwandlung in Gedichte und Sprüche  Wiegenlied

曲: シュトラウス,リヒャルト (Richard Strauss,1864-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Träume,träume,du mein süßes Leben,
Von dem Himmel,der die Blumen bringt.
Blüten schimmern da,die beben
Von dem Lied,das deine Mutter singt.

Träume,träume,Knospe meiner Sorgen,
Von dem Tage,da die Blume sproß;
Von dem hellen Blütenmorgen,
Da dein Seelchen sich der Welt erschloß.

Träume,träume,Blüte meiner Liebe,
Von der stillen,von der heilgen Nacht,
Da die Blume seiner Liebe
Diese Welt zum Himmel mir gemacht.

夢を見て、夢を、私の可愛い生きがいよ
天国の夢を、そこは花で一杯
花は輝き、揺れている
歌を聴きながら、あなたのおかあさんの歌を

夢を見て、夢を、私の心配の種ちゃん
あの日の夢を、花の咲き誇ったあの日の
明るい、花咲くあの朝のことを
お前の小さな魂が、この世に現れた日の夢を

夢を見て、夢を、私の愛の結晶
静かで、素晴らしかったあの夜の夢を
パパの愛が花開き
この世を天国にしてくれたあの夜のことを


ドイツ語で歌われる子守歌の中では、ブラームスのものと並んで屈指の名旋律だと思うこのR?シュトラウスの子守歌ですが、今回訳してみて詩も凄いことを発見してしまいました。
1番・2番はともかく、3番はまさにこの子をパパと仕込んだ(下品な表現でスミマセン)官能の夜のことを歌っているではありませんか。そうか、だてにメロディーだけが世紀末して濃厚なロマンを奏でていただけではなかったんだなと妙に納得してしまいました。
とはいえ、あんまりそんなことを意識して聴くのも良くないので、私のこの曲のお気に入りは、生々しさのほとんど感じられないルチア・ポップのソプラノ(EMI)です。彼女の声は、R?シュトラウスの歌やオペラを歌うためにあるのではと思うくらい聴くものどれもがはまっていると思うのですが、その中でもこの子守歌は良いです。とろけるような名旋律に透明な声で聴かせてくれるのがこの曲の醍醐味ではないでしょうか。

( 1999.10.10 藤井宏行 )


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