Herzeleid Op.107-1 Sechs Gesänge |
心の哀しみ 6つの歌 |
Die Weiden lassen matt die Zweige hangen, Und traurig ziehn die Wasser hin: Sie schaute starr hinab mit bleichen Wangen, Die unglückselge Träumerin. Und ihr entfiel ein Strauss von Immortellen, Er war so schwer von Tränen ja, Und leise warnend lispelten die Wellen: Ophelia,Ophelia! |
柳の木は弱々しくその枝を垂らし 悲しげに水は流れて行く 彼女はじっと下を見ている 青白い頬をして この不幸な夢見人は そして彼女の手から滑り落ちる 不凋花の花束が それは涙でとても重かったのだ そして静かに警告するように波はさざめく 「オフィーリア オフィーリア!」と |
シューマンの歌曲集作品107は1851年の作品。内省的で渋い作風であるためでしょうか。ほとんど取り上げられることはありません。ただ詩の選択はさすがシューマンといった感じで、思わずうならされること必定です。
第1曲はシェイクスピアの「ハムレット」、心を病んでおぼれ死ぬ寸前のオフィーリアの姿を描き出しています。
そういえばシューマンもまた、このわずか数年後にはライン川に身を投げたのでした。そんなことを思って聴くと何とも戦慄すべき歌でもあります。
( 2012.07.01 藤井宏行 )