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Der Nusbaum   Op.25-3  
  Myrten
くるみの木  
     ミルテの花

詩: モーゼン (Julius Mosen,1803-1867) ドイツ
      

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Es grünet ein Nußbaum vor dem Haus,
Duftig,
Luftig
Breitet er blättrig die Blätter aus.

Viel liebliche Blüten stehen dran;
Linde
Winde
Kommen,sie herzlich zu umfahn.

Es flüstern je zwei zu zwei gepaart,
Neigend,
Beugend
Zierlich zum Kusse die Häuptchen zart.

Sie flüstern von einem Mägdlein,
Das dächte
die Nächte,
und Tagelang,wusste,ach! selber nicht was.

Sie flüstern - wer mag verstehn so gar
Leise
Weis? -
Flüstern von Bräut'gam und nächstem Jahr.

Das Mägdlein horchet,es rauscht im Baum;
Sehnend,
Wähnend
Sinkt es lächelnd in Schlaf und Traum.

家の前には、青々と葉をつけたくるみの木がある。
良い香りを漂わせ、
たおやかに、
大きな枝を伸ばしている。

木には愛らしい花がたくさん咲いている。
おだやかな
そよ風が、
その花を優しく包み込む。

花は二つづつ対になって、ささやきあったり、
傾けたり、
曲げたりする
その小さな頭をキスをするために

花は、ささやきあっているのだ
昼も夜も夢見ている
乙女のことを。何を考えているのか、
乙女自身もわからない。

花はささやく、
こんなかすかな調べを
一体、誰が聞き取れるのだろう
花はささやく、花婿や来るべき年のことを

乙女は耳を澄ませ、木はさやさやと音を立てる。
憧れたり、
あれこれ想像して、
乙女は、微笑みながら、眠りと夢の中に落ちる。

「くるみの木」は、シューマンの最も優れた歌曲の一つといっていいでしょう。それに、絶対彼にしかかけなかった歌曲でもあると思います。詩の中で、対句を作っている(最初の節でいうと、duftig, luftig: 良い香りを漂わせ、たおやかに)ところを1行にまとめて訳そうとしたのですがうまくいかなかったです。
この録音もやたらとありますが、最近出たミルテの全曲の録音からドロテア・レッシュマン(Hyperion)のと、ブリン・ターフェル(DG)を上げておきます。

( 2003.09.01 稲傘武雄 )


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